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魔界転生(幕末編)
第15話 渦巻く暗雲
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沖田が再び目を覚ました時は新撰組屯所だった。
「目覚めたか、総司」
勝手知ったる顔ぶれが心配そうに覗き込んでいた。
「近藤さん、土方さん」
沖田は半身になり起きようとしたが、近藤がそれを制した。
「まさか、一番隊隊長・沖田総司が敗れるとはな」
土方は腕を組みつぶやいた。
「そういうな、歳さん。総司でも油断することだってあるさ。なぁ、総司」
近藤はにやりと笑ってみせた。
「近藤さんは甘いのですよ。新撰組が敗れては京がまた荒れます」
土方は語気を強めて言った。
「まぁまぁ、こうして生きて帰ることもまた必要なことだよ。して、総司、お前程の男をこれほど痛めつけた相手というのは、どんな奴なんだい?」
近藤は笑顔を崩さず沖田に尋ねた。
「信じられない事ですよ」
沖田はその男を思い出すと顔から血の気を失い、手がブルブル震え始めた。
「本当に信じられない」
「何が信じられないというんだ?」
沖田の様子を見て土方は沖田の肩をしっかり掴み自分の方へと顔を向けさせた。
「私が戦った相手は・・・・・・」
沖田は土方の目から顔をそらした。
「しっかりしろ!!言うんだ、総司」
土方は沖田を怒鳴った。
「私が戦ったのは、土佐の岡田以蔵です」
「ば、ばかな!!」
近藤も土方も驚くのも仕方なかった。
新撰組にも土佐勤王党が壊滅し、中心人物はことごとく死罪になったのは聞いていた。
その中に岡田以蔵の名前もあったことは周知していた。
「夢でもみてたんじゃないのかい?岡田はすでに死んでいると聞いているぞ」
近藤は驚きのあまり早口で沖田に言った。
「いえ、夢ではありませんよ、近藤さん。もともと、化け物じみていたけど、あれはもはや化け物と言うよりは怪物です」
沖田は近藤を真剣なまなざしで見つめた。
近藤は土方に目をうつし土方と共に見つめあった。

その頃、土砂降りの中、長州・松下村塾前に一人の男が立っていた。
その男は宣教師のような黒い法衣を羽織っていた。
「うん?あんなところに人が立っているぞ」
傘を差した二人の若者が土砂降りの中で佇む男を見つけた。
「俊介、気をつけろ。なんか異様じゃないか?」
「大事ないだろう。それにしても何故あんなところに立っているんだろう?」
松下村塾は師・吉田松陰の死により閉鎖されてしまっていた。
「もし、そこのお人」
この二人こそのちの総理大臣・伊藤博文と大蔵大臣・井上馨である。
「おい、俊介、やめろって」
井上の制止も聞かず伊藤はずんずんとその男に近づいていった。
井上は呆れたように首を左右に振ると伊藤の後を追うように男に近づいていった。
「もし、松下村塾に用がおわりですか?」
伊藤はその男に話かえた。
「いや、用はありませんが、高杉殿にお会いしたく参上した次第です」
男は伊
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