けねもこの救出。
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「くっ!!」
妹紅は必死になって慧音から逃げていた。
なぜ、自分の顔を見るなり、今まで見せたことのない顔をして追いかけてくるのだろうか。いつもの慧音がおかしくなっているのなら、自分が何とかしなければいけないはずなのに、なぜか慧音からは逃げたほうがいい、逃げなければいけないと直感で感じてしまった。
「くそっ!! どうすればいいんだよ……!!」
何もできず、逃げるしかない。こんなのは嫌だ。誰でもいい。何とかしてくれ!!
そう願った。すると、その願いが届いたのか。
「お前の願い、確かに受け取ったぜ!!」
「霊符『夢想封印・集』!!」
妹紅にとって聞き覚えのある女の声と、今まで聞いたことのない男の声が聞こえてきた。それと同時に、8つの光の玉が慧音に向かって襲い掛かり、
「ちょっと失礼!!」
「うわぁ!?」
妹紅は誰かに抱きかかえられて、家の脇に連れていかれた。
ひとまず霊夢に慧音を任せて妹紅を捕まえた暗基は、すぐそこの民家の脇に妹紅を連れて行った。妹紅をおろして、妹紅に声をかける。
「大丈夫か妹紅?」
「あ、あぁ。大丈夫。それよりアンタは……? ていうかなんで私の名前を知ってるんだ?」
「おれは暗基零。おれの姉貴の暗基優理亜がやらかした事の後始末をするために幻想入りした男だ。名前を知っている理由は、企業秘密的な感じでいてくれ」
「えっ!? 優理亜の弟なのか!?」
優理亜の弟と聞いた妹紅は思わず叫んだ。が、ほかのものと違ったのは、
「なんとなく、心配なさそうな気がする。アンタを信じよう」
「本当か!?」
自分のことをすんなりと信じる反応を見せてくれたことだ。暗基は説明を始める。
「信じてくれるなら、ささっと説明するぞ。いま妹紅を追いかけていたのは狂った慧音じゃなくて、優理亜が作った偽物。おれたちはマガイモノと呼んでいる。そして、マガイモノの能力は、本物の能力に付け加えて、優理亜の能力も一緒に付与されてる。だから、今のままのお前だと、すぐに偽物にされる可能性があるからまともに戦えないぞ」
「そんな!? じゃあなんで霊夢は今の慧音のマガイモノだったか? あいつと戦えてるんだよ!?」
「妹紅の疑問はもっともだな。それはおれの能力で強引に戦えるようにしているんだ。あいつも本来はまともに戦うことはできない。おれは霊力を開放する程度の能力と、ありとあらゆるものを普通とみなす程度の能力の二つの能力を持ってるらしくてな。霊力のほうは一時的に対象物の霊力を開放することで、身体能力、生まれ持つ能力を強化するのと同時に、おれと同じように、相手のありとあらゆる能力に対抗できる。そして普通とみなすほうは相手の能力を問答無用で無効にすることができるんだ。だから、今回の異変には最適
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