第四十五話 命名
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ありがとうアベル。いい名前を付けるから楽しみにしててね!後国王の仕事頑張ってね!」
「うん、がんばるよ。国の……皆の為にも」
そう言って笑顔を交わして、執務室から私は出た。
さて、次はビアンカだけど……今は療養中だしなぁ……。どうしようかな。
そう私が考えていると後ろから声が掛けられた。
「あら、ミレイじゃない。どうしたの?」
後ろを振り返ると、そこにはビアンカがいた。
「なんで?ビアンカって今療養中じゃないの?」
「確かにそうだけど、体調がだいぶ良くなったから少しは自由行動をしてもいいって許可がおりたの。これからお風呂に行くけどミレイも一緒に入る?」
「うん。入る」
ビアンカとのお風呂ってかなり久々だなぁと思いつつ、お風呂の支度をすませると、ビアンカと一緒に城の3階にある大浴場に向かう。
「今までは濡らしたタオルで体を拭くだけだったから、お風呂に入るのとても楽しみなの」
「確かにお風呂っていいよね。サッパリするし、心も体も気持ち良くなるし」
2人でそう話しながら入浴用のローブを着て、お風呂に入った。
この時間だから人は私達以外にはいないからか、ただでさえ広い浴場が更に広く見える。大きな窓からグランバニア領の一帯が広がって見えていた。
「いい景色ね。ミレイ」
「うん。こんないい景色を見れてこんないいお風呂に入れていいね」
長い間ビアンカと話す機会がなかったからこういう他愛ない話でも楽しかった。……って楽しいのは結構だけどビアンカに聞かなきゃいけなかったじゃん、危ない危ない忘れるところだった。
「そういえば、ビアンカに一つ聞きたいんだけど」
「?何かしら」
「ビアンカは、子供達にどう育って欲しい?」
私がそう聞いたらビアンカは思案顔になった。
「私が子供達に望むのは、どんな時でも優しさや元気さを失わないこと。何事にも諦めずに立ち向かえる人。自分のするべきことをしっかりやれるような人。そんな人になって欲しいわ」
優しい声でビアンカはそう言った。その言葉には我が子の将来への希望があった。
それを聞いた時、私はふとこう言っていた。
「ビアンカはいいお母さんになれるよ」
「あら、嬉しいわね。これはね、元々は私のお母さんが口を酸っぱくしていつも私に言っていたことなの。最初はそんなのわかっている、口うるさいなとか思っていたけど、いざ自分がお母さんになってみると不思議なものね。昔はわからなかった親の言葉の意味がよくわかるようになったもの」
「……私もいつかはその意味がわかるかな」
私は独り言のつもりでそう言ったんだけど、私の言葉を聞いたビアンカは笑顔で言った。
「大丈夫よ、ミレイ
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