忘却のレチタティーボ 6
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は解決しません! 説明を求めるなら、まずは話を聴く姿勢を整えてください! 何が知りたいのかを明確にして一つずつ並べていただかないと、此方としても説明の仕方に困ります!」
うわぁーい。つい咄嗟に出て来たよ苦情対策の基本文。場合によっては逆に相手を刺激しちゃうから、普通はもう少し穏やかな口調で言わなきゃいけないのに。私のバカーっ!
ああもう、ほら。赤い目がこれ以上無いってくらい吊り上がって
「止めなさい、ベゼドラ。彼女の言う通りです。相手を追い詰めても、まともな答えは得られませんよ」
クロスツェルさんが穏やかな微笑みで加勢してくれた。
ありがとうございますーって……あれ?
ベゼドラさん? の手を上司殿から離させてくれたのはともかく、どうして私の手を取って数歩下がられるのでしょうか?
「まずはアリアとの事。それから、アリアが此処へ来た理由。アリアに関する情報を知る限り全て。教えてくださいますか?」
……背後から私の肩に両手を置いて、上司殿の前にわざとらしく立たせて……。
あ。これ、もしかして人質ですか?
上司殿が話さないと、私がどうなっても知らないぞーってやつ?
「クロスツェル、さん?」
まさかそんな事をする人には見えないけど……。顔だけで振り向いたら、柔和な微笑みを返してくれた。でも手は外してくれないんですねそうなんですね。
男の人って……恐い……。
「ステラは関係無い! その子を巻き込むな!」
「落ち着いてください。冷静に教えていただければ、危害は一切加えませんから」
酷い。この人結構酷い。そんな人畜無害そうな顔して……でも、ベゼドラさんが一歩退いてくれたのはありがたいかも。
もしかして、その為にわざと悪役してくれたのかな。そうだと良いなぁ……という、希望的観測。
「……アリアについては、殆ど何も知らない。ただ、俺の実体の封印を解く代わりに彼女の記憶を消すよう頼まれただけだ」
あ。夢で見たあれ? じゃあ、あの綺麗な女性はやっぱり、アリア様? ってこと?
「アリアの記憶を消した?」
「あぁ。山奥の廃墟で子供に戻った後にな。別人になって死にたい風な言い回しをしていたが……あの後も生きてたんだな」
「アリアが? 死にたいだと?」
クロスツェルさんとベゼドラさんが顔を見合わせて首を傾げた。
「ついでに、俺が彼女の力を必要とした時、一度だけ呼べる約束をした。だからもう、俺とアリアに繋がりは無い。何か知りたいんなら……そうだな。あの廃墟に行ってみれば良い。死ねる可能性がある場所に選ぶくらいだ。何かしらの拘りがあったんだろ」
「何処の事だ」
「女神が名乗りを上げた地……だそうだ」
石造りの神殿。折れた柱が散乱して、床もひび割れてた。
あれ、アリア信仰最初
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