ACT.4 「DAY.2。サーチ&レスキュー」
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とした男子に向かって放つ。狙った部分は下腹部だ。相手はこちらと違い、何の訓練も受けていない素人だ。こんな奴らに負けるようではSDFの名が廃る。父親に近接格闘術を教わっているのならなおさらだ。
ドン、と男子が壁に叩きつけられた直後、一発の抑えた銃声が、部屋の明るさを奪った。
もちろんそれは、「彼ら」の放った一発の銃弾だった。
………………………………………
「無線解除、突入せよ!」
その言葉を言った瞬間、サプレッサーを付け、抑えた銃声がキャンプ方面から聞こえた。真田の狙撃だ。
さらにガラスが割れる音が響き、カーテンから漏れ出していた光が途切れる。
体当たりで扉を開け、一部屋しかない部屋に突入する。暗視装置のお陰で視界は確保されている。
「芽衣に当てるなよ?」
A-TACS迷彩を着た芽衣らしき人が立っている周りには、4人の男女がいた。あと一人は壁付近で何やら下腹部を抑えて悶絶している。
赤外線によってグリーン色に可視化された暗闇は暗視装置によって隊員達の視覚に映る。この状況だと、暗闇が唯一の味方だ。
その中の一人、体格的に男子の影に照準をし、セミオートに設定したトリガーを引く。
HKに装填された5.56mmの暴徒鎮圧弾が空を切り、照準目標の肩に命中した。
「ぐうっ、何だ?」
被弾した肩を抑えながらも抵抗する素振りを見せた目標に対し、長門は即座に銃側部のセイフティレバーを動かし、発射方式をフルオートに換える。「SEMI」から「AUTO」の表記の位置に矢印を動かす。
再度照準をし、次は腰の部分を狙った。
連続した発砲音が鳴り響き、マズルから鎮圧弾が約10発飛びたした。
あちこちからマズルフラッシュが飛び散り、暗い部屋に再び灯りが灯される。
周りからはサプレッサーによって抑え付けられた銃声が止まず鳴り響いている。
「撃ち方やめ!繰り返す、撃ち方やめ!」
最初の発砲から大体1分位経ち、やっと静寂は訪れた。
部屋の中央には転がって悶絶している男女5人、それを取り囲むようにいるのがSDFの面子だ。
転がっている男女の顔はどれもしかめっ面で、中には涙を流している奴もいる。
芽衣はというと、着用していたA-TACS迷彩服は刃物によって切り裂かれ、胸のインナーが露出している。装備していたグロック17と暗視装置などは部屋の棚に放置してあったので回収した。体調はとても疲労しているようで、顔色はとても悪い。頬の部分には小さな痣ができていた。腕には切創もある。手はがくがくと震え、先程まで立っていたが、今は座り込んでいる。
「さて、どうする。隊長?」
先程の狙撃地点から戻ってきた真田が聞いて来た。
正直な所、あまり大きな噂にはしたくない
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