暁 〜小説投稿サイト〜
逆さの砂時計
忘却のレチタティーボ 5
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固まってるあの二人、貴女しか見てないもの……。
 「……諦めが悪いのは、私なのかしら? あの二人なのかしら?」
 両方じゃないですかね……よくわからないけど……。
 「そうね。きっと、そうなのでしょうね。……ありがとう、ステラ。友達を大切にね。あなたの為に泣いてくれる存在を、忘れては駄目よ」
 忘れない。絶対忘れないよ。
 「さぁ、本当の目を開いて。残りは少ないけれど……他の誰でもない、貴女自身の時間を生きて。誰に惑わされる事もなく、貴女の道を探しなさい。貴女の願いは、貴女にしか叶えられないのだから。迷った時は……」
 うん。解ってる。私はもう大丈夫。全部教えてくれた友達がいるから。大丈夫です。ありがとう……アリア様……で、良いのかな?
 「見えるままで構わないわ。本当の私は名無しだったし」
 ……なら、自分がなりたい名前で良いんじゃないですかね?
 「……ふふ。貴女のそういう所が羨ましいのよ、ステラ」
 あ。待って。結局、名前……は……


 ……なんだろう? 体が温かい。
 あぁ、スイだ。私の白もふ……
 あったかい……なぁ……


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