暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
現実世界
第148話 彼女の刃
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りと隼人へと近づいていく。
 隼人は動かなかった。ただただ、和人のが向かった方を見ていたのだそれを察したのか、焦点の合わない瞳孔が捉えられたのか、須郷は甲高い声で笑った。

「へひゃぁ、あんしん、したまえよ。キリト君も直ぐに後を追わせてやるからよぉぉ!!」

 地面を思い切り蹴り、駆け出す須郷。
 素早く動ける筈がないコンディションだったのだが、運良くアスファルトをしっかりと蹴る事が出来ていた為、加速する事が出来、そのまま勢いに任せながら、ナイフを突き立てて隼人の方へと倒れ込む。

 後ほんの数cmで、その身体に突き立てる事が出来るだろう距離。

 ……だが。

「勘違いをするな」

 隼人は、身体を捻り……そのナイフを躱した。
 後ろにまるで眼がついているかの様に須郷を見据えて躱した。

 そして、捻った勢いで身体をコマの様に回し、その遠心力を利用して 回し蹴りを須郷の顎めがけて放つ。ばきっ!!と言う音が周囲に響く。

「げふぅっ!!?」

 その蹴りは、正確に須郷のあご先を捉えていた。

「……感謝してるのは、俺の方だ。……和人には譲ってもらっただけなんだ。ここから先は、どうしても譲れない」

 隼人は、軸足に力をいれ、回転力を殺して須郷の方を見た。

「ひ、ひぃっ!!」

 突然の衝撃に須郷は 再びパニック状態になっていた。顎を打たれた為、脳が揺れ三半規管が麻痺してしまい、まともに立てない。今の状態を踏まえても、もう暫く立つ事など出来ないだろう。

「……お前に、お前たちにトドメをさすのは オレ達だ」

 隼人がゆっくりとした動作で内ポケットから取り出したのは端末。そして、素早く指を動かしていく。丁度あの世界でのウインドウ操作をする様に。
 そして、隼人はモバイルの画面を須郷につきつけた。

「ひっ、ひっ……!!?」

 須郷はまだ、ショックから立ち直れていないが、画面を見る事は出来ていた。焦点がボヤけるが、何かのシステムを起動する画面だと言う事は理解出来た。

「……聞こえないならそれでもいいがな。視覚的に感じろ。これは ウィルス・ソフト《コード・デストラクション》。……名前くらいはお前も知ってると思うがな。あの研究に手を出したと言うのなら」
「……ぃっ!?」

 隼人の言葉を聞いて、そして、向けられた端末を画面を見て、暫く固まった須郷だったが、びくりと電流が走ったかの様に身体を震わせた。


《コード・デストラクション》



 それは、まさに名前の通り、破壊の権化だ。知らない訳はない。



 それは遡ること10年以上昔の話。



 IT会社に大ダメージを与え、あわや壊滅しかかった一件。何処からやってきたのかは不明だった。誰が作っ
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