暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
ALO編
第147話 世界の種子
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し出した。それは、丹精込めて、……ちょっぴり愛情を込めて作ったサンドイッチだった。
『これくらいは、許してくださいね?』と少なからず想いながら作ったもの。

 和人は、それをありがたく受け取って、素早くジャケットを着直して、外へと出る。

「さ、寒っ……」

 ジャケットをも透過してくる冷気に思わず首を竦めてしまう。

「あ、……雪」

 見送りに、外まで来ていた直葉は空を見上げながら呟いた。

「え……」

 和人も、直葉より少し遅れて、空から降り注ぐそれを確認した。

 しんしんと降り注ぐ雪。まだ、降雪量自体は少ないものだが、今朝の天気予報を思い返せば、それなりに積もると言う予報だ。これなら、公共機関を使うよりも、愛自転車で飛ばす方が早いだろう。

 手早く自転車に跨る和人。

「気をつけてね? ……アスナさんに、レイナさんに、宜しくね」
「ああ、今度、ちゃんと紹介するよ。……それに、きっとアイツも来てる。隼人も」
「え? はやと?」

 直葉は聞いた事のない名前を聞いて、首をかしげた。和人は、そうだった、そうだった、と頭をかきながら笑顔を見せ。

「リュウキ、だよ。ドラゴとも言うかな? ……レイナの大切な人だ。 」
「え……ええー! そうだったんだ!?」

 それは初耳だった。
 そして、心の何処かに『せっかくリタに想い人が。相性の良い人なのに』と頭の中に過ぎったが、その想像上ですら、思い切り自分の右胸めがけて鉄拳制裁してくる彼女がいたから、直ぐに戻ってくる事が出来ていた。

「リュウキ、隼人の事も紹介するよ。今度ちゃんとな?」
「うん。ちょっと楽しみだよ」
「ああ」

 それを最後に、和人は直葉に手を振って愛自転車のペダルを強く踏み込んだ。

 雪が降り注いではいるが、出かけた時間帯が良かったのか、病院にまで到着するまでに、路面に積もる事は無いだろう。徐々に勢いを増す雪。夜の闇に、降り注ぐ白銀の輝き。

《白銀と漆黒》

――……確か、アイツの第1層でLAのアイテムは、《コートオブシルバリースノウ》だったな。

 ふと頭に過ぎった。白銀のコートのそれは闇の中で僅かに顔を出している月明かり照らされた雪景色に似ている色。

 漆黒のコートに、白銀のコート。

 そして、こんな景色。

『……こんな再会もあるのか』と 和人は何処か苦笑いもしていた。


――……だが、隼人には悪いが、今一番出会いたいのは明日奈の方だ。


 和人はそうも思う。だけど、それはお互い様だろう、か。とも思えた。きっと隼人も今、まっ先に会いたいのは玲奈の筈だから。

 これから出会える。明日奈に、あの時の4人にまた出会える。

 そう思えると、病院までの距離が全
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