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ソードアート・オンライン〜Another story〜
ALO編
第147話 世界の種子
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10℃を切っていた。これなら、エアコンの復電自動起動設定をしっかりとしておけば良かったとやや後悔もしたが、これから外へと出るのだから、丁度いいか、と思い直していた。
外は、氷点下に迫る気温だから。
「道中、お気をつけて」
「うん。場所は……」
隼人は、行き先を綺堂に説明をし、個人住宅とは思えないエントランスを抜け、外へと向かった。爺やに自動車を、と思ったが、場所を考えたら自転車で行く方が早いだろう。決して 近くは無いが、やや遠回りに大通に出て、国道を進んでいく事を考えたら何かと自転車の方が好ましい。もう、十分と思えるがリハビリにもなるから。彼女を抱きとめるのに、足腰がしっかりしていない、と言うのは情けなさすぎるだろう。
「行ってきます」
隼人は、自転車に跨ると ぐっと力を入れてペダルをこいだ。夜の闇の中。……しんしんと降り注ぐ雪の空の下。吐く白い息を感じながら、隼人は進んでいった。
〜桐ヶ谷家〜
時は、少しだけ遡る。
和人は、隼人と殆ど同時刻に目を覚ました。疲労感が残り、瞼を開くのにも少し頑張らなければならない程。ゆっくりと目を開けた先に、妹の直葉がいた。
心配そうな表情で、じっと和人の事を見ていて、目が合うと、慌てて身体を起こす。
じっと、和人の事を見つめていたのだから、仕方がないだろう。兄を好きだと言う気持ち、そう簡単に気持ちを整える事が出来る訳も無いから。
――……全部、終わったの?
――……ああ、終わった。何もかも、全部。
起きた当初2人の会話は、それ程多くは無かった。和人が、直葉に答えたのは終わったと言う事実と、感謝だった。幾ら感謝してもしたりない。……妹がいたからこそ、助ける事が出来たんだ。
……直葉がいたからこそ、隼人と巡り合う事が出来た。
……リーファがいたからこそ、明日奈や玲奈を助ける事が出来た。
隼人の分も、礼を言わなければならないだろう。
そして、悩んだのがALOの真実を話すか否かと言う事。だが、和人は今話す事は無かった。これ以上、心配を掛ける訳にはいかなかったから。ただでさえ、自分の頭には、直葉にとっては憎むべき機械が取り付けられていたのだから。
「お兄ちゃん。行ってあげて。きっと、きっとお兄ちゃんを待ってるよ」
直葉は、笑顔で言う事が出来た。
――……本当の戦いを経験した自分は少し、強くなったのかもしれない。
直葉はこの時そう思っていた。まだ、兄を想っているのに、笑顔で兄の想い人の所へ、と言えたのだから。酷い事を言ってしまったあの時より、ずっと……。
そして、凄まじい程までの速度で着替えを済ませた和人に直葉は、夜食にと分厚いサンドイッチを差
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