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ソードアート・オンライン〜Another story〜
ALO編
第147話 世界の種子
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わんばかりの晴れやかな表情だ。
「そして、見つけたんだ。大切なものを。……大切な思い出を」
それを聞いて、綺堂の表情も僅かだが穏やかな表情になっていた。初めから判っていた。隼人が目を覚ましたその時から、綺堂は判っていた。目を見ただけで、判ったのだ。
「良かったです。……是非、思い出をお聞かせください」
「……うんっ」
隼人は、ニコリと笑いながら頷いた。だが、今はしなければならない。行かなければならない場所がある。
「大切な人も、この私にご紹介して頂ければ。坊ちゃんの親として、ご挨拶をしないと」
「あ、あっ……/// そ、それはちょっと早い気が……」
「……ふふふ、坊ちゃんも随分と成長しましたなぁ」
普段の隼人であれば、大した風には受け取らないだろう。ただ、はじめて出来た友達に挨拶をする、程度にしか。だが、その挨拶の意味する所が判った様だ。そして、その相手が異性だと言う事も、綺堂は判っていた。
一人称が《僕》から、《俺》へと変わった事もそうだ。
ほんの数日で、2年分の思い出と想いを取り戻した彼の姿。……本当に嬉しくもおもえていた。
「も、もうっ! ……とと、そうだそうだ」
隼人は、居た堪れなって手早く準備をしようとした時だ。ある事を思い出した。もう1つ……綺堂に頼んでいた事があったのだ。表情を真剣なものに変えると隼人は綺堂に向き直る。
「爺や、アレは、準備してくれた?」
「……ええ。勿論です。坊ちゃんのノートパソコンは勿論、各種モバイルでも出来る様にしております。ただし、大変危険な代物です。狙いを見誤れば……」
「大丈夫。……大丈夫だよ。下調べはする。ノーパソ1つがあれば十分だし。……絶対狙いは外さないよ」
「……愚問、でしたね。坊ちゃん」
「ううん。ありがとう。……もう早い内に終わらせたいから。早めに、ね?」
隼人は、綺堂からそれを受け取った。
「爺や、多分……友達も行ってると思うから オレも行く。……行ってくるね」
「はい。もう夜も遅いです。……お気をつけて」
現在は夜の9時を軽く過ぎている。
でも、今日 会いたい。
――皆に、……玲奈にもう一度会いたい。
約束もしたのだから。
約束通り、現実の世界で彼女を抱きしめたい。ずっと、会えない間も想ってくれた彼女を、精一杯想いながら。
綺堂も、止めなかった。隼人の想いの高さを、強さを感じたから。会いたいと、力いっぱい叫んでいる様にも聞こえたから。
「じゃあ、行ってくるね」
座っていたベッドから飛び起きると、クローゼットに仕舞っている防寒ジャケットを着用する。外は随分と気温が低いだろう。室内ですら、これ程までに低い温度なのだから。指し示す室内温度の数字は
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