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ソードアート・オンライン〜Another story〜
ALO編
第147話 世界の種子
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報量が脳内に流れ込んできたのだ。……嘗てのトラウマもしかることながら。だが、頭の芯に疲労感が残りながらも、何処か心地よい浮遊感も同居させていた。過去の因縁に決着を付け、そして大切な事を思い出した、思い出せた事が大きいだろう。大切な人を、愛する人を、思い出せた事が。
隼人はゆっくりと瞼を開けた。
目元にうっすらと残っている涙は、決して偶然ではないだろう。
「……」
隼人は瞼を開けると、ゆっくりと起き上がった。部屋の明かりを付けようと、手を伸ばすが……、ここで漸く気づく事が出来た。部屋の明かりがついていると言う事に。自動点灯を設定していた訳じゃない筈だけど、と思ったが直ぐに訳が判る。
「……おかえりなさいませ。隼人坊ちゃん」
傍らで控えてくれている人の存在を、確認したからだ。その表情は、やや強張っている。……知っている。その表情は、心配をかけた時の表情だと言う事を。
「ごめんね。……爺や」
隼人は、アミュスフィアを外すと、綺堂の方を向いて頭を下げた。安全の為、と言う事で綺堂のモバイルにリンクするプログラムも組み込んである。自分自身のバイタルデータが異常数値を示していたのは、よく判っていた。あの世界のあの場面で。
そして、普通であればアミュスフィアの安全装置が働く筈なのに、目を覚まさないのだ。悪夢が再び頭の中を過ぎったのだろう。
「いいえ。……謝るべきは私。私の落ち度です。坊ちゃんの情報と、彼に関する事。その2つが揃っていながら、あの世界へと坊ちゃんを送ってしまった私の……」
綺堂はそう言うと、視線を落とした。
情報……、と言うのは、隼人がALO内で見つけた嘗ての研究の残滓が見つかった事。そして、同タイミングであの男、狭山の事を聞く隼人。これらを元に、綺堂自身も再び行方を眩ませたあの嘗ての旧友であり、酷い裏切り者でもある狭山の情報を再び捜索したのだ。
そして、痕跡を見つける事に成功した。表向きは 総合電子機器メーカー レクトの子会社である『レクト・プログレス』のVR部門のアドバイザーとして、所属していた様だ。
名前も偽名を使用していた、
狭山
(
さやま
)
雄造
(
ゆうぞう
)
から
御影
(
みかげ
)
蓮司
(
そうじ
)
へと。
人格を抜きにしても、その能力は優秀、文句ない一流と言う事と、コネクションがあるものと思われた。
木を隠すなら森、とはよく言ったもので、巨大なレクト社に息を潜めていたのだ。
隼人は、そう謝罪をする綺堂を見て、首を振った。
「……爺や、でも僕は、……オレは行っていたよ。例え何が待っていても。どんなことをしても。……あの世界に大切なものがある、って確信していたんだから」
そう言うと、表情を緩める。まるで、憑きものが落ちた、と言
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