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ソードアート・オンライン〜Another story〜
ALO編
第147話 世界の種子
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何処か暖かさをそこには見出せていた。それは、親が子に抱く感情に限りなく酷似しているのかもしれない。それが、長らく共に仕事をしてきた彼がいると言う事もあるだろう。

『それは世界の種子だ。芽吹けばどういうものか、判る。その後の判断は託そう。それを消去し、忘れ去るのも良い。……しかし、もし……あの世界に憎しみ以外の感情を残しているのなら……』

 茅場は、そこで声を途切らせた。その後、短い沈黙の後。

『……では、私はもう行くよ。また会おう。リュウキ君。キリト君』

 それが、最後の言葉だった。まるで、初めからこの場にはいなかった様に、彼の気配は完全に消え失せたのだ。








 再び静寂が訪れた数秒後。

「……戻る前にもう1つ、最後にあるんだ」

 隼人は、和人の方を向いた。和人は、とりあえず、託されたその世界の種子を胸ポケットに仕舞いこんでいた。隼人が最後にする事。それは、今は世界の種子で埋まってしまっている和人のポケット。
そこは、彼女の特等席の筈だ。帰還報告(デブリーフィング)は、和人……キリトにだけじゃない。

「呼んでくれないか?……キリト」
「ああ。判ってる」

 キリトは、隼人の、……リュウキの言葉の意味を即座に理解した。リュウキに会いたかったのは、玲奈や自分たちだけじゃない。


――……暗闇から、手をさしのばされ、救い出してくれた。心に暖かさをくれた。……大好きだったお兄さん。

 そう、あの少女もずっとリュウキと会いたかった筈だ。ちゃんと還ってきたリュウキに。

「ユイ。いるか?」

 キリトがそう言った途端。暗闇の世界が一直線に割れ、外の世界、妖精の世界の空が顕になった。オレンジ色のその太陽の光が暗闇の暗幕を切り裂いたのだ。そして、一陣の風が吹く。

 光の粒子を纏った輝く風は、少女の形となってこの場にゆっくりと降りてくる。

 純白のワンピースを羽織った少女の姿に。

 ゆっくりと目を開いた。

「ぱぱっ! おにいさんっ!!」

 ユイは、丁度2人の腕に飛び込む形で、降りてきた。

「良かった。……無事、だったんだな」
「はい……、突然、アドレスをロックされそうになったので、ナーヴギアのローカルメモリに退避したんです。でも、もう一度接続してみたら、誰もいなくて……とても、とても心配しました」

 ユイは、ぎゅっと目を瞑って、そして開いた。そしてユイは、しきりに左右を、そしてリュウキの顔を見ていた。心配そうなその表情は、何を聞くのか、何が聞きたいのか、直ぐにキリトには理解出来た。

「全部、終わったよ。……ママも、おねえさんも。……おにいさんも、な。帰ってきた」

 キリトの言葉と共に、リュウキも穏やかな表情になり、ユイ
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