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ソードアート・オンライン〜Another story〜
ALO編
第147話 世界の種子
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も言える。私は、茅場晶彦という意識のエコー。……残像だ』

 茅場はそう答えていた。だが、その存在感は……間違いなくあの男その物だ。直接会った事は無いにしても、長く共に仕事をしてきた隼人には何処か、そう感じた。文面上でのやり取り、仕事上でのやり取りだけだったけれど。……数少ない尊敬に値する人物だったのだから。

「……オレはそうは思わないよ茅場。……いや ヒースクリフ。それにアンタは全く変わらない。……義理堅く、いつでも、何処までも 真っ直ぐな男だって所が特に、な」

 隼人は、対照的に、そう茅場に答えていた。
 孤高の天才と呼ぶに相応しい実績を残している茅場晶彦。メディアへの露出が少なくマスコミを嫌う。人付き合いというものも、思いのほか多くはない。

 そんな彼だが、唯一対面を熱望したのが、リュウキと言う名のプログラマーだったのだ。自分と対等に……、いや 上であるといっても良い相手。そんな相手はこれまでにいなかったから。だからこそ、だった。

『……ふ。君とは私が人である内に、もっと会いたかったものだよ。リュウキ君』

 だからこそ、ここで初めて柔らかく微笑んだ茅場。あの世界でも、その表情は見た事の無いものだった。
 
 和人は、嘗ての旧友と言った仲に聞こえなくもない2人の会話に水差すつもりは無かったのだが、一言はどうしても言いたかった為、つい言葉を挟んでしまう。

「真っ直ぐ以外にも解りにくい事を言う男、って所もあるだろう?」

 苦笑いをしつつ、和人はそう言っていた。そして、続ける。

「とりあえず、礼を言うよ。……だけど、どうせならもっと前に助けてくれてもいいじゃないか」
『………』

 和人の言葉に苦笑を漏らす茅場。確かに危険な場面は多数あったのだから。だけど、隼人は判った気がした。

「それは人間の意志の強さを、再び、見たかったから。……と言った所じゃないのか? ヒースクリフ」

 そんな茅場に隼人はそう言っていた。
 和人は、隼人の方を思わず見てしまっていた。その言葉は、あの時……頭の中で彼が言っていたのだから。

『……それもあるかもしれないな。だが、私と言う意識は確かに覚醒していた。……が、流石にここのシステム・コアに侵入するのには随分と骨が折れてね』
「よく言う……。この世界、幾らSAOのコピーとは言え安易に侵入する事は出来ないだろうと想像するのは難しくないのに、オレのID情報を察知し、この種族へと転生させた。……おまけの贈り物(ギフト)も携えてな」
「それはどういう事だ?」

 隼人の言葉の中には、理解できない事もあった。茅場が、システムに介入する難しさと言うのは理解出来る。管理者権限と言うシステムに守られた中、無数に反り立つ針、その中の唯一の正解の穴を見つけ出し、
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