精神の奥底
47 ブリキの心臓
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ieの残党もWAXAの手で全て捕らえられたようです」
発信先はディーラーの首領であるキングだった。
替え玉も多く用意しているが、その威圧感があり、背筋に悪寒が走る声は紛れも無い本人の声だ。
変声機でも中々再現できない。
そして性格もハートレス自身もあまり長い間、話していたいとは思わないタイプの人間だった。
まして顔を合わせて話すのも部下でありながら、お断りしたいくらいだった。
『君が手に入れた敵の計画は見させてもらった。読む限り、シンクロナイザーの手によって既に計画自体は頓挫したように思える』
「はい。しかし、警戒は続けた方がよろしいかと。現にValkyrieは未だにデンサンシティでのビジネスから手を引いていません。ユナイトカードの性質上、使用者はValkyrieの駒になります。もし市民が大勢で牙を向いてくれば脅威になりかねません」
『分かっておる。当然、そのつもりだ。そのために力を得る必要があるのだ。シンクロナイザーからスターダストを引き離し、その力を手中に収めることができれば...』
「それは難しいかもしれません。スターダストに適合できる人間は少なく、適合できても使いこなせる人間は恐らくディーラー中ではシンクロナイザー以外いないでしょう」
『...しかしウィザードが手中にあるならば...』
キングはスターダストの力を欲しがっていた。
最初、彩斗の下に現れた不完全な状態の時は大した脅威には思わなかったが、ジャックとクインティアの2人を寄せ付けることもなく勝利したその凄まじい力がその認識を変えた。
キングはその力を手中に収めておきたくなったのだ。
だがスターダストの力は彩斗から分離することは恐らくできない上、仮に分離できてもキングに渡すつもりなどハートレスには毛頭無かった。
「このウィザード、トラッシュは全身のデータが軍事機密レベルに暗号化されており、全て解読するには長い年月を要します」
『それほどの存在でありながら、今まで私が認識していないとは...』
「それに私の主観ですが、トラッシュは言語こそ話しませんが、明白な意思と思考力を兼ね備えており、シンクロナイザーを適合者と認識しているようで、彼の窮地を2度も救い、護身用の武器まで与えています」
『...ウィザードがシンクロナイザーを適合者としている上、そのウィザード自体のデータにもアクセスできず、その認識を変更することもできない以上...』
「何度、シンクロナイザーから切り離しても、いずれはシンクロナイザーの下に戻ってしまうでしょう」
キングは電話口でも分かるくらいに歯ぎしりをした。
元々、自分に何か手に入らないものがあるというのが許せないタイプではあったが、それを別の人間が持っているというのが余程腹が立ったのだろう。
ハートレスも深くため息を
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