友人 4−4
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さて、こいつは俺に何の用なのだろうか。
「目上...? 俺よりも目上の者がこの場にいるのか? まさか、自分の事を言っている訳ではあるまい。上級生だからといって、俺よりも優れていると本気で思っているような、そこらの底辺の奴らと同じ考えでの発言だろうか」
「貴様...っ!」
「何だ? 呪いか。唱えられるものなら唱えればいい。お前が闇の魔法使いである事は既に気付いているぞ。隠す必要は無い」
こんな簡単な挑発に乗って来るようなら大した事は無い。相手にするまでも無い人間だという事だ。
爺様に報告していないだけでも感謝してほしいところなのだがな。
純血主義の彼にとって、どこの馬の骨とも分からない俺を見下したい気持ちは分からなくは無い。
死神の俺にとって、人間とは見下せる存在でしかないのだ。
先代の死神は、人間を見下し、操り、己の快楽の為に使役していた程だ。流石にそこまでやるつもりは無いが...。
逆上し懐の杖に掛けた手をゆっくりと離す。
マルフォイは、挑発には乗らずに何かを悟ったかのような笑みを浮かべた。
「素晴らしい。貴様になら、我らが主に仕えてもいいかもしれん」
「断る。ヴォルデモートは好かん。顔も、性格も最悪な男だ」
「あの方をそんな風に語るな! 問答無用で殺してやるぞ!」
「ほぅ...。殺れるものなら、やってみるがいい」
再び逆上し、今度は懐の杖を取り出した。
主君の為に尽くす姿はなかなかに感心出来る。しかし、感情をコントロール出来ないのであれば、いくらセンスが良くても二流だ。
故に、彼が今、放とうとしている呪いに掛かる義務は無い。
「クルーシォ......ッ!?」
「......」
手首だけを動かし、マルフォイの杖を弾く。
弾かれた杖は重力の抵抗を受けながら落下し、遥か後方にカランと音をたてて地に着いた。
「目上と語るならば、俺から武器を取り上げられないようになってからにするんだな」
「ぐっ......!」
「では、失礼する」
さて...。背後からの襲撃の危険も心配無さそうだ。
あれが何年後かには、死喰い人(デスイーター)となり闇の帝王と共に魔法界を絶望に追いやるのかと思うと、その時が楽しみで、思わず口端が吊り上がりそうになる。
まあ、その時までこの世界にいるとは限らんし、期待し過ぎるのは止めておこう。
とりあえず、今は明日の事を考えなければ...。
今から行うべき事項をイメージし、マクゴナガルのもとへと足を早めた。
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