友人 4−4
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ポッターを煽り立ててから三日目。
周りの雰囲気の違いが目立って来ていた。
全体的にそわそわしている。...そのような感じだ。
外は鉛色に染められ、上空からは純白の淡雪が音も無く地上降り立つ。月日が経つのは早いもので、もう十二月となっていた。
「リーマス、今月の分だ」
「ありがとう。あ、そういえば明日は何か用事があるの?」
「いや。リズの冬眠予定の日にち確認以外の用事は特に無い。...明日、何かあるのか?」
「何か...って、クリスマスイブパーティだよ」
クリスマスイブ?
はて? そんな予定があっただろうか? 確か、物語には無かったような...。見落としたのか?
「トール」
「あ、爺様。...何か用でも?」
リーマスが慌てて頭を下げると「よいよい」と笑って許す。
この笑顔の時は、また面倒臭い仕事を持って来たに違いない。
「明日のパーティの余興に、お前さんの歌を是非にと言う者がおっての。頼まれてくれんか」
「......はぁ。分かった」
どうせ嫌だと言っても聞いてはくれないのだろう。
“是非にと言っている者”というのも爺様以外に考えられんしな。諦めるのが最も有効な手段だ。
さて、そういう事となれば選曲しなければならんな。
そんな風に考えている中、爺様の「それとじゃな...」という声が俺の思考を遮った。
嫌な予感しかしないのだが......。
「その余興では是非、お前さんの友人を出席させてほしいのじゃ。パーティにはパートナーが必要じゃからの」
「爺様......まさか...」
「うむ。では、明日を楽しみにしておるからの」
自分だけの用件を済ませ、さっさとその場を去る。そんな爺様の背中を眺めながら俺は落胆せざるを得なかった。
空気を読んだリーマスが慰めてくれるが、それがかえって惨めになる。
リーマスには、明日の余興の準備に入ると告げて別れ、自分の部屋へ直行した。
俺の往く道を遮ったのは、プラチナブロンドの長髪をなびかせた青年。その立ち振る舞いからして上級生だろうか。
横暴な雰囲気が滲み出している青年に知り合いはいない。だが、心当たりはある。試しに、その名を呼んでみる事にする。
「ルシウス・マルフォイ...」
「ほぉ...。私の名を知っていたとは光栄だ。だが、目上の者への敬意が欠けているようだな」
当たっていたようだ。
口を開いても横暴な雰囲気に変わりは無い。
ルシウス・マルフォイ。物語に多く登場し、闇の帝王の味方に付く闇の魔法使いの一人。未来では、魔法省の偉い立場に身を置くらしいが、実力かどうかは不明だな。
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