23部分:第二十三章
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けれど」
前にいる沙耶香が消えた。そうして後ろにいる沙耶香が彼女にそっとさらに寄り添ってきて。その耳元に唇を寄せて囁くのであった。
「今ここにいるのは私達だけよ」
「まさか。それは」
「そうよ。そのまさかよ」
妖しい笑みを浮かべての言葉である。
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