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ソードアート・オンライン〜Another story〜
ALO編
第146話 2人の勇者
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、本当に剣なのか? あの世界で、あれ程毎日見てきた剣だというのか?

「ぐ……おお……ッ違うッ!!」

 そう、あの世界で浴びせられたあらゆる刃は、もっと重かった。

「こんな……魂のない攻撃にっ……!」

 あの世界で、受け続けた剣。意志の篭った剣は、例えどんな意志でも重く、強かった。

「ぐおおおおっ!!!」

 咆哮に合わせ、キリトはついに立ち上がった。流石の須郷もフルパワーで仕掛けた重力魔法の支配下の中で動けるとは思ってもいなかった様だ。

「やれやれ、オブジェクトの座標を固定したはずなのに、妙なバグが残ってるなぁ? 運営チーム共の無脳っぷりは……、おっ?」

 須郷は、キリトを殴りつけようとした。だが、その右拳はキリトの左手で阻止されたのだ。満足に動ける筈もないこの場所で立て続けに起こったバグ。

 だが、もっと驚くことが起こる。

「システムログイン。ID《ヒースクリフ》。パスワード******」

 パスワードをシステムが認識した瞬間、キリトはまるで呪文を唱えているかの様にな声を発していた。盗聴防止機能だ。

「な、なに!? なんだ、そのIDは!」

 来たことのないID、そして 自由に動き、システム的制限を仕掛けた筈なのに、ウインドウを出している目の前の男。驚きのあまり、歯をむきだしあて驚愕の叫びを上げていた。即座に、管理者権限を使おうとした須郷だったが、キリトの音声コマンドの方が早かった。

「システムコマンド、スーパーバイザ権限変更。ID《オベイロン》をレベル1に」

 管理者様のシステムウインドウが、須郷の前から消失した。目を剥き、何もなくなった空間を唖然と見つめる。もう、神たる力、妖精王たる魔法のスクロールはもう現れない。

「ぼ、僕よりも高位いのIDだと……? 有り得ない……有り得ない……! 僕は支配者、創造者だぞ! この世界の、帝王、神だ!!」
「違うだろ。そうじゃない。……お前はただ盗んだだけだ。世界を、そこの住人を、そして盗み出した玉座の上で一人踊っていた泥棒の王だ」
「こ……このガキ! 僕に、この僕に向かってそんな口を……!! システムコマンド!! オブジェクトID《エクスキャリバー》をジェネレート!!」

 須郷は、怒りの表情で金切り音を上げた。……だが、もはや権限の無い須郷には応えない。

「システムコマンド!! ええい、言う事を聞け! このポンコツが!! 神の……神の命令だぞ!!!」

 わめきたてる須郷。その須郷から、キリトは目を離した。今は、彼女を安心させてあげるのが先決だから。

「……直ぐに終わらせる。もう少し待っててくれ」

 アスナは、まだ輝きを失っていない瞳をキリトへと向けた。彼女に培われてきた強靭な魂はまだ砕かれてい
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