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ソードアート・オンライン〜Another story〜
ALO編
第146話 2人の勇者
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「ククク、因みに……レイナ君たちが長引いた時を考えて、別のプランも用意しているんだよ。それを教えてあげようか? ……この場所で楽しむだけでなく、君の病室へ行く。ふふふ、今は君だけじゃないから、君たちの病室、と言った方が良いかな? そこでドアをロックして、カメラを切ったら、あの部屋は密室だよ? 君たちと僕。神の周りに寄添う妖精達、3人だけさ。君達の貞節を、その時に汚してやるよ。それをも耐えれるなら、本当に大したものだよ。くっくっく!」
「っ!」

 アスナは一瞬目を見開いた。でも、せめてもの抵抗に再びぎゅっと目を瞑った。
気丈に振舞った。だが、訪れる恐怖に、涙を流す事は止められなかった。

「あーっはっはっは!! 甘い、甘いよ!ほら、もっと僕のために泣いておくれ! 最高の蜜だ!」

 この時、全てを焼き尽くす灼熱の業火がキリトの身体を、頭の中を貫いた。先ほどのそれよりも、もっとも強く、もっとも熱い怒りの炎。

「須郷……貴様ッ……貴様ァァァァ!!! 殺す……!! 貴様は殺す!! 絶対に殺す!!!」

 そのキリトの怒りに対しての返答は、更なる強力な重力。怒りの炎は、自分の体を動かす、どころか、更に地に沈めた。



 今、この瞬間こそ力を欲した事は無い。



 力をくれるのであれば、それが悪魔でも、鬼でも構わない。あの男を、斬り殺し、アスナを、皆を戻してくれるのなら。



『鬼……?』



 キリトの脳裏に、怒りの炎で焼き尽くされたと思われた頭の片隅に、浮かび上がった言葉。それが鬼だった。



 そう……鬼、と呼ばれた男がいた。



 赤い目をした鬼の姿。自分は何度も見た事がある。そう、一緒に闘ってきた友のもう1つの通名だった。悪意を込めて作られた通名。


 彼の事を思い出して……、キリトは悟ってしまった。


 そう、あの世界で魔王に最後の一撃を喰らわせたのは自分だ。だが、その過程は自分の力ではない。自分は、あの世界でトップの最前線に立ち、己の剣と共に道を切り開いてきたつもりだった。



――……だけど、それは偉大な男の背後に隠れてて、その甘い蜜を吸っていただけじゃないか。



 その偉大な力を欲し、追い縋り、自分のものにして、魔王を倒した、と勘違いをしていた。

 だからこそ、アスナが、彼女の心がゲームの中にあると知った時、それなら自分の力でどうにか出来ると思い込んでしまっていたんだ。

 あの世界での活躍を全て自分の力だと、力に酔ってしまっていたんだ。本来であれば、真にすべき事は大人たちに任せようとせずに、のこのことこの世界へとやって来てしまった。

 そして、この世界で、真の力を失った嘗ての勇者にも出会った。だからこそ、自分し
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