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ソードアート・オンライン〜Another story〜
ALO編
第145話 もう1つの闇
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だった。今は時間が惜しいから、キリトにはまだ話していなかった。だけど、ここから抜け出す事ができたら、全てを明らかにして、裁きを受けさせると誓っていた。
「パパ、ママ、こっちです! 誰の物か判りませんが、プレイヤー情報を持つ人の場所は」
あの鳥籠を脱出し、3人は足早に通路を走っていた。
道中に、以前脱出したあの気味の悪い巨大ナメクジ型モンスターの形をした研究員にであったら、と思ったがそれは大丈夫だと判断した。丸腰の自分の噛み付きで、怯んだ相手なのだから。
キリトがいてくれれば、問題なく蹴散らしてくれる。
だけど、ここで予想外の事が起こったのだ。
「な、なにっ!?」
「きゃあっ!!」
突然、この空の上の世界で光が失われた。あの赤い夕日、全天燃える夕日の一遍の光さえも闇が飲み込み、覆い尽くしていったのだ。
「きゃあーっ!!」
突如、ユイが悲鳴を上げた。身体を仰け反らして頭を抑える。そして、苦しそうにしながら。
「ぱ、ぱぱ、ままっ……気をつけて、な、何かよくないものが………っ」
そのユイの言葉が終わる前に、ユイの小さな体の表面を紫色の電光が這い回り、光ったと同時に、アスナの腕の中に居たはずのユイの身体が消えていた。
「「ユイ!」ちゃんっ!」
キリトとアスナは同時に叫んだが、ユイからの返答は無かった。ただただ、どろりと濃い闇の中へと引きずり込まれ続けた。
そして闇の中で……、自分たち以外の気配に気づいた。
それこそが闇の根源だ、と言う事を本能で2人は悟っていた。甲高い声が闇の中で響き渡る。
「やぁやぁ、どうかな? この魔法は? 次のアップデートで導入される予定のもの。まぁ、僕が設計したものじゃないから、力バランス見てなくてね。見たところによると、効果が強すぎる気がするねぇ?」
抑えきれない嘲弄の色を含んだその声。聞き覚えは2人共にあった。間違いない。……忘れる筈もない。キリトにとっても憎しみの対象と言える存在。あの世界で眠るアスナの前で聞いた声。
「――須郷!」
高重力下の中、必死に起き上がろうとするキリト。だが、身動きがとれない。まるで、床に貼り付けられている様だった。
「チッチッ、この世界でその名前はやめてくれるかなぁ。君らの王に向かって呼び捨ても頂けないね。妖精王オベイロン陛下と――そう呼べッ!!」
甲高い怒声と共に、キリトの頭を蹴りつけた。王、と形容するだけの容姿は備わっている様だ。だが、どう見てもその姿は受け入れられない。生理的に嫌悪しかねないモノだった。端正に作られた顔、それは 人間のものではない。ゼロから作るその顔は、創造者の趣向から作り出された美貌にありがちな生気の乏しさだ。
……だからこ
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