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ソードアート・オンライン〜Another story〜
ALO編
第145話 もう1つの闇
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子で出来ているドアがあり、ロックと思える小さな金属板もあった。彼女を閉じ込めているドアは、ユイの手によって開錠された。小さな手は、鉄格子を消滅させる。もう、遮っている物は何もない。
ユイは、キリトの手を離し、ユイにとっても愛しい人の胸へと飛び込んだ。
「ママ――っ!!」
アスナも、椅子を蹴り倒す勢いで立ち上がると、口元に添えられていた両手が大きく開かれ、そして震える声で応えつつ……、ユイを抱きとめた。
「ユイちゃん!」
これは、現実なのだろうか?それは、アスナにもキリトにも、ユイにも言える事だ。逢いたくて、逢いたくて、ずっと逢えなかった彼女に漸く合うことが出来たんだ。
「ママ……ママぁ……っ」
「ユイ、ちゃん……」
2人の涙が次から次へとこぼれ落ち、そして鮮やかな硝子片となって周囲に浮遊する。夕日に彩られた硝子片は、赤く燃えている様だった。
「キリト……くん」
「アスナ……」
ユイを抱きしめながら、アスナはキリトの方を見た。彼女もまた、この世界でずっと彼の事を想い続けてきたんだ。時も判らない、この魂の監獄の中で。
キリトはそれを悟り、そして強くアスナの身体を自分の腕に包み込んだ。
「……ごめん、遅くなった」
「ううん、信じてた。きっと――きっと助けに来てくれるって……」
それ以上の言葉は不要だった。互いに身体を預けあい、そして互いに強く抱きしめ合っていた。ずっと、思い描いていた未来図。その温もりを、思い出しながら。
そして、キリトは全てをアスナから告げられた。
読み通り、アスナを捕らえていたのはあの男、須郷だったと言う事。そして、玲奈の事。
「キリトくん。お願い。……レイもここに捕まっている筈、だから」
アスナはそう言い、軽く涙を拭った。自分だけ助かって帰っても、自分の時間は進まない。現実世界で玲奈が進まなかった様に、おそらく明日奈も進まないだろう。キリトはそれが判っていた。
「ああ。勿論だ。必ずレイナも助ける……」
キリトは約束した。
この場所に囚われているのは確かだから。玲奈の事を解放出来れば。
「……そうしたら、リュウキも、還ってくる。皆との約束を果たす事が出来るんだ」
「うん……っ」
アスナも強く頷いた。
アスナもリュウキの現状をキリトから聞いていた。そして、何故そうなってしまったのか、それは知っている。リュウキが、囚われようとしたプレイヤー達を助けて……、それで脳にかかる負荷が限界を超えてしまったのだろう、と言う事だった。
それらの情報については、須郷から聞いた。気分が良い時のあの男は安易に情報を流している。
それを聴き出す事は造作もないこと
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