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ソードアート・オンライン〜Another story〜
ALO編
第145話 もう1つの闇
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。君は悪くない』と、心の中で念じ続けた。すると……、彼女は再び微笑んだ。目に涙を浮かべて。




『……ありがとう。また、またリュウキに会えた……、それだけで私は報われたよ。……だから私の分も、全部、彼女にあげて』




 笑顔で、にこりと笑いながら……、彼女は消失していった。



――……あの声は一体、なんだったのだろうか? あの笑顔は一体、なんだったのだろうか?


 ただのプログラム。

 あの男がいうによれば、彼女に限りなく近く似せたNPCだと言う事だ。でも、あの声は、笑顔は、間違いない。記憶の中の彼女と全く同じだ。まるで、呪縛が解かれたかの様に、笑顔で。


 そしてそれは、時間間隔の矛盾だった。


 彼女との会話もあり、ここまでで随分時間がたった。
 ……葛藤し、迷い、随分と時間が掛かったと思っていたのに、丁度今 リュウキの一閃が玲奈を縛っていた鎖が完全に断ち切る事ができ、その玲奈の身体がぐらりと崩れ……、リュウキの身体に、その身を完全に預けていた。


「……ご、めん」


 彼女の身体を受け止めたリュウキ。
 一瞬、沈黙していたのだが……、身体に伝わる温もりを感じた。そんな彼女を胸に抱き、嗚咽を漏らしたのはリュウキから、隼人からだった。

 どうしても、どうしても謝りたかった。

 赦される事なんかじゃないとも思える。あの研究は、悪魔の所業と思えるものだったから。
この場所に囚われてしまったと言う事実も含めて。


「ほんと……に、ごめん……。……の……せい……で、きず……っ……」


 声を必死に圧し殺しながら、涙を流した。彼の嗚咽を聞いた玲奈は、そっと隼人の胸元に顔を埋め。


「良いん……だよ。だって、だって……」


 玲奈は、必死に言葉を紡ぐ。でも玲奈は、もう我慢できなくなってしまった。

 玲奈は隼人の葛藤は、知っている。

 あの世界で、……涙を流しながら明らかにしてくれた嘗ての記憶。

《悪夢の記憶》

 それを聞いているからこそ、玲奈は もう一度、またこの世界でも彼を安心させてあげようとした。だけど……、もう 無理だった。何も考えられなかった。ただただ湧き出る感情に身を委ねて、玲奈も涙を流した。

「あえた……、あなたに、はやとくんに、また……また……あえた。わたし……わたしっ……」

 玲奈は、感情が高ぶり、言葉がうまく出せない。伝えたい言葉が、伝えたい筈の言葉が、声に出せない。隼人は、そんな彼女の姿を見て……、聞いて。
 そっと、彼女の身体に腕を回し、抱きしめた。

 ……強く、強く。

「……ただ、いま」

 隼人は、玲奈に伝えた。無事、帰還出来た事を。あの時の約束を……、果
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