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ソードアート・オンライン〜Another story〜
ALO編
第144話 因縁に決着を
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―……有り得ない場所で、有り得ないものがあり、有り得ない人がいた。

 幾ら彼でも、そんな状態で、そんな精神状態で、いつもの力なんて出せる訳ない。

 その卑怯な手段は、リュウキの思考を奪い、そして その手段は、リュウキの行動範囲を削いだ。彼をシステム的に、動けなくして……最後の仕上げは。最大の……仕上げは。

「わ……わたし……」

 レイナは、思わず口にしていた。彼を苦しめているその最後の……。

「そうだ。最後の一手、仕上げは……この餓鬼を縛る呪縛はキミだよ。玲奈君。……大切な人を、二度も守れなかったとすれば? ……もう帰ってこれないだろ? 現実に」

 親指を突きたて、そして下に突き落とした。地獄に突き落とした、と言わんばかりに。

「ひ、ひどい……っ。アンタなんて……アンタなんて……っ」

 ぎゅっ……と拳を握り、そして歯をくいしばらせた。この男は自分をも道具に使ったのだ。……最愛の人を苦しめる道具に。

「ふん。然るべき報いと言うヤツさ。当然の事をしたんだよ。この餓鬼は報いを受ける者だ」
「そんなっ……そんな訳ないっ。はやとくんは、正しいことをしたんだ! 非道な研究を、その研究で苦しむ人たちを救った……んだからっ。間違ってるのはあんた達よ!」

 玲奈は目に涙をいっぱいに溜め、そう言い放つ。その勢いで涙が宙に舞い、美しい硝子片となって散りばめた。

 だが、……そんな言葉に動じる筈もない。

「言いたいだけ言い給え。玲奈君。何を喚こうが君の彼氏が戻ってくる事はもう無い。……コイツの次は綺堂を、そして 現実世界でも死を与えてやろう。……ふ、メディアに姿を現さない度合いで言えばこの餓鬼はあの茅場晶彦以上だからな。その面でも好都合、と言ったものだ。……くくく、綺堂と共に葬ってやろう」

 リュウキの頭に乗せた足をゆっくりと除けた。

「はやと……くん……っ」

 流れ出る涙を止める事が出来ない。
 ……憎しみで、誰かを殺す事が出来たなら、きっと自分は殺人者になってしまうだろう。自分の今の表情は……それ程憎しみで彩られているに違いないんだ。

 そんな時だった。




『……似合わないよ。レイナにそんな顔。怒ってる顔は、君には似合わない。……ふさわしくない』



 
 声が……聞こえた。はっきりと、はっきりと聞こえた。玲奈は、はっと顔を上げた。

 どうやら、あの男も、狭山も聞こえていた様だ。辺りを見渡していた。     




『レイナはずっと笑顔でいて。……オレが何よりも好きだったのは、君の笑顔だから』




 間違いない。聞こえた。頭の中に……直接流れ込んでくるかの様に。愛しい人の声が。

「なに……?」

 狭山は逆に悪
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