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ソードアート・オンライン〜Another story〜
ALO編
第144話 因縁に決着を
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〜記憶の深淵〜



 彼女と初めてあったのは……そう、あの第1層 BOSS攻略会議だった。いや、それ以前にも出会った事、とまではいかないが、見かけた事は確かあった。当時の自分としては、全く意識はしてなかった。
 お互い 数多のSAOプレイヤーの内の1人だと言う事だけだった。

『……ねぇ? あなたは……その、ソロプレイヤーなの……?』

 攻略会議の最中、接触は彼女から、だった。パーティを組まなければ、BOSS戦に参加出来なかった。……だから、彼女から声をかけてくれた事は、本当に有難かったし、嬉しかったんだと思う。こちらからは、とある事情もあって、中々誰にも言えなかったから。

 そして、その後、正式にパーティを組んでキリト達とも話をした。

 当初、彼女は姉のアスナを避けていたんだ。だから、逃げる様にキリト達から離れた。……自分の手をしっかりと握って。

 そして、ゲーム内に風呂がある事実を教えた事もあった。その事実を知って、彼女はガッツポーズしていた。

『ねっ! その部屋! 後何部屋空いているの? 場所は何処に? お願いっ! 私も借りたいからそこ案内してっ! お願いっ!!』

 今思っても、結構な剣幕だったと思う。そして、部屋と言うより、一軒家。だから 空いてないと言う事を話した時の彼女の落胆ぶりにも驚いたものだった。その後、随分と時間がかかったお願いをされ、部屋を貸す事になったんだった。

 部屋には鼠の異名を持つアルゴと言う情報屋も押しかけてきて、更に賑やかになったんだ。

 ……賑やか、と言うより騒がしいと言った方が良いかもしれない。






 
 攻略も順調に進んでいたある日の事。

『ああああーーーーーーーっ!!!!!』

 本当に突然の絶叫だった。
 彼女の絶叫が街中に響いたし、自分にも直接大音量となって聞こえてきたんだ。……話をしてみるとどうやら、自分をずっと探していた様だった。特に用事があったという訳ではないようだったが。

 そして、再びパーティを組んで、色々な事を教えてくれたんだ。

 そう、料理の美味しさ、そして楽しさを。大切な事を、教えてくれた。

 その時は、本当に楽しくて時間が経つのが早かった。体感時間が本当に短く感じたんだ。

『うんっ! 《また》ねっ!』

 別れる時の彼女の笑顔は、今も鮮明に覚えている。なんで、今の今まで思い出せなかったのかが不思議な程に。





 そして、自分が過去の記憶に触れた時。





 彼女は包み込んでくれた。その胸に抱きしめてくれたんだ。安心出来る様に。……抱え込まない様に。自分の抱える悲しみ事、全て包み込んでくれたんだ。

『リュウキ君は……あの時。初めて
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