暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
ALO編
第143話 闇との邂逅・開かれた記憶
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 キリトの剣は、リュウキの魔を纏い……この世界の頂にたどり着いた。
 その場所は、入口の石の大扉とは比べ物にならない程の巨大な建造物。恐らく、まるで花が開くかのように、四分割された石版が四方に割れ、プレイヤー達を天の国……、アルンまで導くのだろう。キリトの頭の中ではそんな事は考えていない。この閉ざされた扉の先に、彼女が待っている。

 ……アスナが待っている。

 アスナを助ける事ができたら、レイナも救うことが出来る。なぜか、そう思えた。……彼女の魂が戻り、そして レイナを、リュウキを。皆が帰還出来たその瞬間から、自分達の現実が始まるんだ。

 だが、……ここで思いもかけない事が起こった。

 キリトは、剣を何度か突き刺し、手を翳し、考えうる出来る事の全てをした。だが、扉は全く反応はしない。システムメッセージも何も発生しない。

「……なぜだ? 開かないっ!?」

 キリトは、何度も何度も剣を腰だめに構え、扉を打壊す勢いで叩きつける。だが、衝撃音は響いても扉はビクともしなかった。それどころか、傷ついた様子もまるでないのだ。

「まさか……っ」

 キリトより、やや遅れて頂上の扉に到着したリュウキ。その扉に手を当てて、そして目を見開いた。

「ユイ……、どういうことだ!?わかるか!?」

 キリトは、胸ポケットの中にいるユイにそう聞く。『何が足りないのか?』 『キーアイテムか?』 『敵の撃破数か?』 『イベントか?』 考えられる事の全てを頭の中で再生をさせ、ユイの言葉を待つ。

「パパっ」

 ユイもリュウキと同じように、この扉を軽く触り、そして早口で言った。

「この扉は、クエストフラグによってロックされているのではありません!」
「なっ、なら一体何にっ……!?」

 キリトは目を見開いてそう聞く。この先に彼女がいる筈なのだ。こんな所で、立ち止まっている訳にはいかないのだ。そんなキリトの焦りと苛立ちを体現するかの様に、扉に拳を叩きつけたのはリュウキだった。

「プレイヤーには開けられない。此処のシステムの管理者が、この扉を閉ざしているんだ!」
「なっ……!?」

 リュウキの怒号に、ユイも頷き……、そしてキリトも絶句した。つまり、このグランドクエストを制した先には……何も待っていない。

『真の妖精に生まれ変わる』

 と言うそれは、プレイヤーの鼻先にぶら下げられた、永遠に手の届かないものだと言う事なのだ。……難易度を極限にまで、理不尽にまであげておきながら、血反吐を吐き、決死の想いで到達したプレイヤーに更に奈落に突き落とすかの様に、システム権限という名の鍵をかけているのだ。
 キリトは、全身から力が抜けるのを感じていた……が。

「ちっ!!」

 リュウキは
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