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ソードアート・オンライン〜Another story〜
ALO編
第143話 闇との邂逅・開かれた記憶
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…この一室に入った背後で、声が聞こえてきたのだ。
「ぁ………」
リュウキは、振り返る。そして、声をかけられた本人を見て……絶句した。赤みがかかった茶色の髪で、すらっと肩まで伸びている。あどけなさが残るブラウンの瞳に、口元はまるで三日月の様に開いて笑っている。あの時の姿のままの……女性。
「さ、……サニー……?」
自然とリュウキはその名前を口に出していた。全ての始まりだと言っていい彼女の名を。
『ふふ……。待ってたよ?ずっと、ずっと此処で……』
笑顔のまま、リュウキに声をかけ続けていた。リュウキは動けない。まるで、時が止ったかのように固まってしまっていた。
「な、なん……で?そんな……、そんなの……って。サニーは……あの時に……」
『うん。そうだったね。……最後にキミに送ったメール。今でも覚えてるよ』
にこりと笑って、近づいてくる《サニー?》当時は身長は殆ど変わってなかったが、アバターと言う事もあるが大分違う。丁度、腰辺りにすっと抱きつく《サニー?》
『あの後……、私の為に戦ってくれてたんだよね?』
「……でも、でも 君は……」
『ふふふ……そうだね。だから……』
《サニー?》はそのまま抱きついたまま、笑っていた。……いつものリュウキであれば、この時に気づいただろう。その笑顔と声に、騙される事などなかった。
――他人の悪意に敏感になっていたリュウキなら。
『私……、とっても寂しいんだ。……だから、リュウキも【来て】』
「っっ!!!」
突如……、何かが自分の身体を突き抜けた。そして、鈍い痛みが信号となって脳髄に叩き込まれる。
「さっ……」
リュウキは、その得体の知れない痛みを感じながらも、目の前の彼女の肩に手宛てがっていた。
『私はとっても、寂しい。リュウキ。私、寂しい……さみしい……サミシイ……キテ……コッチニ……ズット、イッショニ……』
そのサニーの身体がどんどん変わっていく。笑っていた顔が、あの時と変わらない笑顔だったものが、崩れ、醜悪で不気味な笑顔になっている。笑顔と、とれない表情になっている。
どう、言えばいいのだろうか? 同じ人間とは思えない表情だった。
「ぐ……ぁ……」
その瞬間、身体に電流が流れたかの様に、びくんっ!と脈動した後、動けずその場で蹲ってしまっていた。麻痺状態、それを理解するのには時間は掛からなかった。
そして、この空間そのものが歪み周囲の壁は音を立てて崩れていく。
現れたのは、まるで宇宙空間にいるかの様な星星の輝きを放っている空が見える空間。
それ以外にはなにもない。
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