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ソードアート・オンライン〜Another story〜
ALO編
第143話 闇との邂逅・開かれた記憶
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て今に至る。
あの時、あの男は全てのデータを消去した。……そのため、全てを失った。せめてもの救いは、証拠もなにも残さず、全てを真っ白にした為、証拠不十分となり重刑には至らなかった。だが、それでもこれまで積み上げてきたもの、その全てが足元から崩れ落ちたのだ。
『……あの時、あの餓鬼を始末していれば……。ふん。たられば、か』
そう一笑、過去の事はどうでもいい。今は男にとっては、待ち望んだ時が来たのだ。
『……来るがいい。絶望へと案内してやろう』
そして、世界は真っ白な空間に包まれた。
〜????????〜
白い光に包まれ、意識が翔んだのは一瞬だった。宙に飛んでいた筈の自分が地に足をつけている感触を覚え、目を開ける。そして、数回頭を振り、何度か瞬きをして、転送された感覚の余韻を払い落とした。何処かに飛ばされると言うこの感覚、初めてではない。この世界に最初に飛ばされた時もそうだ。……あれは、突き落とされた様な感覚だったが、根っこは変わらない。
「……ここは」
リュウキは、辺を見わたす。何とも言えない……、一言で言うならば奇妙な場所だった。VR世界と言う別の世界が生まれてから今日、過剰とまで言っていい程、精緻な装飾を与えられた街並みとは大きく異なる。ただただ、真っ直ぐな通路があるだけ。色も白い板だけだ。他の色はないのか?と一瞬探しそうになった程だった。
「……一先ず、歩いてみるか。ここには……。待ってる筈、だから……」
リュウキは、この未知の通路を進みだした。直線だったのは、初めだけで、ゆるく右に湾曲していたりしている。歩いている内に、大体の構造は掴めてきた。かなり巨大な建造物だが、円形の形をしている様だ。辺を視てみるとこの通路の先、上にも下にも広大な空間が広がっている様だ。
そして、更に進んだ先に漸く、無機質な空間が変わっていた。
それは、このファンタジーな世界の幻想的な物ではなく、近代的な建物、通路。まるで鏡の様に光り輝いている窓。横へのスライド式の扉もあった。
「……これは」
何処か、リュウキには見覚えのある空間だった。見覚え……どころじゃない。自分は……知っている。これらの空間、この世界を。
「ココは……」
ゆっくりと扉に手を伸ばした。そして、ゆっくりと開く。その場所に広がっているのは、無数の机と椅子と、そしてコンピュータ。それ以外に部屋の中には、飾り気のない無機質なもの。
だけど……、この場所は。
「…………」
リュウキは、立ち尽くしていた。この場所は……、自分がかつて、過ごしてきた場所だから。悪夢の始まりにして、終わりの場所。
『おかえり、リュウキ』
「っ!!」
その時だった。…
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