暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
ALO編
第143話 闇との邂逅・開かれた記憶
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えがあった。あの世界で、見た事がある姿だった。


『少し無茶をする。……今皆を助けるにはこれしかない』


 その姿形こそ別人だが、その人物の本質は見えた。あの世界の真の勇者の姿。あの時の、台詞が再びこの場に流れる。



『お前らの相手はこのオレだ!かかってこいやァァァァァ!!!!』



 ごうっ!!と言う、とてつもない声量がこの空間の中で轟いた。ユイは、思わず両耳を塞ぐ。キリトは、……ただただ、あの時の光景が鮮明に湧き上がっていた。あの時は皆を助ける為に。そして、今は自分を助ける為に。

きゅいんっ!!

 ガーディアン達1体1体のアルゴリズムは違う。だが、それをもリュウキに強制的に変更されたかの様にあの数のガーディアンの悪意は全てリュウキへと向けられた。

「おにいさんっ!!!」

 ユイは、思わず手を伸ばすが、リュウキはそれを見て首を振り、そしてキリトを指さした。今、システムを打ち破る事が出来るとすれば自分かユイだけだ。そして、この数のガーディアンを相手に出来るのは、自分とキリトだけだ。……今のキリトには心許ない。

「リュウキっ……」

 力の抜けていたキリトだったが、リュウキの行動に、言葉に、再び力を取り戻すことが出来た。……最後の最後まで、抗ってやろう。強い気持ちが戻ってきた。

――……あの時のリュウキの様に。

 キリトは、何か無いか、と考えを張り巡らせた。ここまで来て、システム管理者なんかに、負ける訳にはいかない。もう一度、皆であの空を見るまでは。

「っ!!」

 キリトは、ある事を思い出した。それは、空から落ちてきた物。ユイがアスナのコードを見つけて、そしてその場所に向かって空高く翔んだ時に、見つけた、空から落ちてきた……、アスナから託されたもの。

 小さなカード。

 ユイは、システムアクセス・コードだと言っていた筈だ。

「ユイっ!」

 キリトは、まだリュウキの方を心配そうに見ているユイに声をかける。そして、腰ポケットに入っていたあのカードをユイに見せた。

「これは、使えないか!? たしかシステム・コードだと言っていた筈だ!」

 ユイは、その言葉を聞いてキリトに言われたあのシルバーのカードを見た。目を丸くさせていたが、直ぐに頷いた。小さなユイの手がカードの表面を撫でる。
 光の筋がいくつかカードからユイへと流れ込む。

「コードを転写しますっ!」

 一声叫ぶと、ユイは両の手のひらでゲートの表面を叩いた。その瞬間、ユイの手が触れた箇所から放射状に青い閃光のラインが走り、そしてゲートが開く代わりに、そのゲートそのものが発光を始めたのだ。

「これで、中に入れますっ!! おにいさんっ!!!」

 ユイは、手をか
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