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ソードアート・オンライン〜Another story〜
ALO編
第142話 世界の核心まで
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いた努力と熱意だけは本物の犠牲だ。……時間は、無限じゃないのだから。

 だからこそ。

 もう、撤退の二文字は完全に頭の中で削除をした。例えあの2人が、逃げろと。……なんと言おうと、リーファは退かないと決めた。あの頼りない男が最後に、根性を見せていったのだから。


「……レコンがくれた勝機だ!」
「無駄にはしないっ!!!」

 レコンが作った天への軌跡。無限とも思える軍勢に風穴を開けた唯一の道。その場所めがけて、2人の戦士は一気に飛び上がった。リュウキの隕石でも耐えられた敵の壁。そして、レコンが捨て身で放ったあの強力な爆発の魔法も連発出来ない以上……他に方法は無い、とキリトは強く思っていた。

――……否、方法は他にもある。

 リュウキから事前に聞いていた魔法。……真の切り札をまだ切っていないからだ。だが、それを実行するのが不可能だった。何度もそれを実行しようと試みていたが、敵の数が多すぎる事と、その効果時間が極端に短いこと、そして何より詠唱時間が鬼畜だと言う事だ。隕石の魔法よりも数倍もの詠唱文であり、かかる時間も相応なものだ。

――……得られるリターンは果てしなくでかい。……だが、その間に敵が待ってくれる筈もなく、キリトがカバー出来る時間も限られているからだ。

「「うおおおおおっ!!!」」

 今は、ただ、あの穴目掛けて只管飛び続けた。開いた穴はその先の光が差し込んであり、まさに光の道となっていた。……だが、その光も瞬く間に、闇が侵食していく。

がきぃぃぃぃぃ!!!

 己の身体を盾とする様に、まるで、一体の巨人になるかの様に、無数のガーディアンたちが、仲間同士の身体をぶつけ合いながら、一つに固まり、2人の突進を防いだのだ。2つの閃光を、軽々弾き返すそれはまさに無敵(イージス)の盾。

「拙い!」

 弾き飛ばされた瞬間、リュウキは見た。壁として配置されていたあのガーディアンの背後に、もう既に控えているのを。

「キリトォッ!!!」

 リュウキは、落下するキリトの手を掴み、敵がいない……、比較的少ない場所を瞬時に見極め、その方向へと投げた。

「っ!? りゅぅっ!」

 リュウキがキリトを思い切り投げ、逃がしたその瞬間。

どすどすどすどすっ!!!

 リュウキの身体に無数の剣が突き刺さった。

「がはぁっ!!!」

 鈍い痛みが身体の髄にまで駆け抜ける。四肢の全て……五体全てを貫かれ、HPをレッド値まで削りきられたのだ。

「っ!! こ、こんなのって……」

 その衝撃を目の当たりにしたリーファは思わず絶句をしてしまった。レコンが決死の覚悟で作った、特攻で作った道をもう殆ど白い闇が覆い尽くしてしまっている。2人の突進が簡単に防がれてしま
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