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ソードアート・オンライン〜Another story〜
ALO編
第141話 グランド・クエスト
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瞬く間にやられてしまったら、意味が無い。レコンはまだ、2人の事を信じきれていなかった。信じると言う意味は、戦闘力を、という意味でだ。嘗てのリーファなら、こんな無茶苦茶な布陣で最終関門に挑むなんて有り得ない。
挑む切欠が、この2人なのは判っている。
一体どうするつもりだろう……?と、ほんの数秒前までの自分は思っていた。そう、数秒前までは。
「せええええぇぇっ!!!」
「はぁぁぁぁぁぁっ!!!」
キリトとリュウキ。
2人の姿は、黒と銀の閃光となっていた。その閃光は、まるで鎌鼬の様に、触れるモノ、全てを切り裂いていく。複数のガーディアンが集中していたのだが……、その全てが一撃の一閃の元、胴を分断され、四散していく。
「……すげぇ」
思わず口にしてしまうのも無理はないだろう。ここまでの強者だとは思っていなかったのだから。……ALOをはじめて、初めて真の強者の姿を見た気がした。
「でも、敵の数が……っ!」
リーファは2人の事は知っているから、レコン程は驚いていない。……確かにあの2人の実力についてはよく知っている。2人のあの大怪獣大決戦の様な戦いを見たから、2人が組めばどんなクエストでも突破出来ると思えた。
が、その期待も淡く吹き飛ばしてしまうかの様な敵の軍勢の姿がそこにはあったのだ。あまりにも敵の数が多すぎる。こちらが強ければ強いほど、多ければ多いほど、システムがそれを学習するが如くこのドームを覆い尽くしていく。……敵のステータス自体は然程変化は無い。が、それを補って有り余る数なのだ。
1秒に3体程、敵を屠っているキリトとリュウキ。
……が、倒しても、その倒した数が倍増しで増えているのだ。それは圧倒的な物量であり……無限地獄。
「れ、レコン!」
「あ、うんっ!!」
魅入ってしまっているレコンに喝を入れるリーファ。今は小ダメージ程で済んでいるが、いつ、彼等が攻撃を連続で受け、大ダメージを受けてもおかしくないのだ。
そして、リーファとレコンは詠唱を始めた。
敵の物量の全てを屠る事は出来ず、被弾をし出したのだ。キリトが追撃のダメージを受けてしまいそうになった時、リュウキが巧みに敵の攻撃軌道を誘導し。
ずごぉぉぉぉ!!
同士討をさせた。敵同士の攻撃は、味方の攻撃同様にダメージを負う事は無いが、攻撃をキャンセルされ、そしてノックバックも発生する。故に攻撃を回避する事が出来、追撃も阻止することが出来るのだ。この広大なフィールドでも、全体を視れているリュウキならではの芸当だ。
「お前の眼。今日ほど欲しいと思った事はないぜ」
「馬鹿言う前に、身体を動かせ。……先読み出来なければ、持ち前の反応速度で対応しろ。それが、お前の最大の武器だろ」
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