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ソードアート・オンライン〜Another story〜
ALO編
第141話 グランド・クエスト
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」
リーファは、思わず目を見開いた。その瞳が写したのは、キリト。……キリトも剣を持たず、自身と同じように、していたのだ。『どうして……?』と思う間も無く、2人の衝突にも似たその抱擁は、エネルギーを殺しきれず、2人の身体は1つになって回転しながら、この空を舞ったのだ。
これこそが、妖精たちの踊り……、
妖精舞踊
(
フェアリーダンス
)
、と言えるものだろう。宙に投げ出された2人は抱き合いながら……やがて、回転力も落ち宙に静止する。
「どうして――」
回転が止まり、漸く言葉を口にすることが出来たリーファ。それは、キリトも同じだった様で、戦いの時と同様に、殆ど同時に。
「何で――」
キリトも、そう返していた。互いに沈黙がながれ、視線を交差させたまま 宙を風に任せながら流れる。沈黙を先に破ったのは、キリトだった。
「オレ――、スグに謝ろうと思って。……でも、言葉が出なくて、だからせめて、剣を受け入れようって……」
不意に、リーファの背に回された両腕にぎゅっと力が入るのを感じた。
「ごめんな……、スグ。せっかく帰ってきたのに……、オレは、お前のことをちゃんと見てなかった。自分のことばかり必死になって……、お前の言葉を聞こうとしなかった」
その声を耳元で受け止めると同時に、リーファの両眼から迸しるように涙が溢れた。
「そんな……、あたし、あたしの方こそ……」
リーファは それ以上はもう言葉にならない。ただただ、キリトの身体に、胸に強く顔を埋めて嗚咽を漏らしていた。
そして、緩やかに地上へと帰還を果たした。キリトは、リーファの頭をそっと撫で……静かな声で話し始めた。
「オレは、本当の意味ではあの世界から帰ってきていないんだ。……終わってないんだ。まだ、彼女が、帰ってきていない仲間達の存在がある限り、オレ自身も、オレ自身の現実も始まらない。皆で、あの時の約束を果たすまで……、始まらないんだ。だから、今はまだ、スグのことをどう考えていいか判らないんだ……」
「……うん」
リーファは、小さく頷くと、つぶやくように言った。
「あたし、待ってる。お兄ちゃんが、ちゃんとあたしたちの家に帰ってくる、その時を……、だからあたしも手伝う。説明して……、あの人達の事、何でこの世界に来たのかを……」
リーファは答えを求めた。現実世界で眠っている彼女……姉妹と、この世界と一体何の関係があるのかを。確かに、この世界もあの世界同様、仮想世界だけど……繋がりなんて無い筈だから。
リーファの問に、キリトは答えた。
戻ってきていない彼女の事を。嘗て、あの世界で、戦友だった男の1人が、眠れる彼女の情報を教えてくれた。それが、この世界の上。その鳥籠の様な牢獄に囚われている彼女の
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