友人 4−3
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「納得出来ません! 説明してください!」
授業の終わりと共にポッターが喰って掛かる。
マクゴナガルの判断は間違ってはいない。だが、この玉の正体が理解出来ていないポッターには納得し難いものだったようだ。
まあ、この玉は魔法だけで創った代物ではないからな。それも仕方あるまい。
「ポッター。これは水晶玉ではありません」
「はっ? え...?」
「手に取って、よくご覧なさい」
マクゴナガルは玉をポッターへ手渡し、それの観察を勧めた。ポッターは言われるがままに観察を始める。マジマジと見つめ、光に当ててみる。
それでもまだ、この玉の正体に気付けないでいるようだった。
「マクゴナガル。いくらポッター家の者とはいえ所詮は子供。これの価値を理解するにはまだ早いだろう。......いいか? お前が白鳥にした物はコランダム鉱石の結晶だ。不純物が一切含まれていない為に、ここまで澄んだ結晶となっている」
だからなんだと言わんばかりに顔をしかめるが、気にせずに話を続ける事にする。
「俺が行ったのは結合魔法。物と物を一つにする魔法だな。お前が結晶と結晶を結合させたように、俺も結晶とある物を結合させた結果がこれだ」
「結晶以外の物を使ったのか!? ルール違反だぞ!」
「おそらく、お前が言うルール違反とは結晶以外の物体を混ぜた...という事だろう。残念だが、半分は違う。俺が使ったのはこれだ」
そのまま人差し指を上に向ける。そう。これが、俺が使った物。
指が示す場所には何も無い。いや、目視出来ないのだ。もちろんこの場にいる全員に当てはまる。俺も例外ではない。
「そう睨むな。誤魔化している訳ではない。...さて、俺が使った物は物体ではなく物質。この空気中にあるクロムとチタンだ」
「クロム...? チタン...?」
「ふむ...。この空気の中には目視出来ない程小さな物質がある。酸素や二酸化炭素などがそれだ。俺が使ったクロムとチタンも同じくな」
「お、おう...」
「この無色透明の結晶と、先程の二つをそれぞれ結合させると面白い事が起こる。クロムを結合させると赤く、チタンを結合させると青くなる。ーー因みに、赤い方がルビー。青い方はサファイアだ」
名付けるならば『紅蒼玉』。
ポッターは、手に取っている物が大きな宝石の塊であると知って目を丸くする。
魔法の世界での宝石の価値がどんなものなのか知らずにいたのだが、彼の反応を見る限り底辺という訳ではないらしい。
高額で売れそうだな。まあ、これはマクゴナガルに贈らせてもらうが...。
「さて、納得してもらえただろうか? 用が無いなら、俺は失礼させてもらう」
「.....
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