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魔法使いへ到る道
3.大人同士の話って子どもには退屈なんだよ!
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直し、一番態度がかわいらしかったなのはに話しかけることにした。話しかけても答えてもらえず目も合わせてもらえなかったが、俺はあきらめなかった。
「…なあ、なんで何も言ってくれないんだ?」
「ふーんだ、うそつきのケンジくんと話すことなんて、なんにも無いもん」
 ものすごく根に持っていたようです。恐らく二人も同じ意見なのだろう。
 やっぱり嘘をついたのを謝らなかったのがダメだったのだろうか。そりゃ明らかに悪いのはこっちなのにあれだけ飄々としてたら腹も立つだろう。少なくとも俺ならぶん殴っている。
 ああ、些細な嘘から人間関係が壊れていくというのは本当だったのか。
 …………ふん、いいだろう。そっちがその気なら俺にも考えというものがある。こういう時のために以前から常々考えていた一発逆転の打開策。受けてみろっ!
「ごめんなさいでしたっ!」
 はきはきとした謝罪とともに頭をテーブルにたたきつける。一回では効果が見られないようだったので、繰り返す。
 五回目ですずかが「しょうがないなあ。これからはしちゃダメだよ」と可愛らしく許してくれた。
 十回目あたりでちらちらとこちらを伺っていたなのはが俺の額が赤くなっていることに気付き「わあ、もういいよ!許す許す!」と慌てた感じで言った。
 二十回目ぐらいの時、なのはとすずかから宥められ、俺の度重なる謝罪も少しは効いたのか「…次は無いからね」とようやくアリサは俺の顔を見てくれた。
 全員からお許しを貰った俺はふう、と息を吐いた。なんとか元の関係に戻れたようである。


 子ども組がなんだかんだやっている内に保護者たちはずいぶんと仲良くなったらしく、向こうからは笑い声がひっきりなしに聞こえてくる。
「どんなことを話してるのかな?」
 クリームソーダを飲む手を休め、なのはがぽつりとつぶやいた。
「きっと大人同士のむずかしい話をしてるのよ」
「わたしたちにはまだ早いんじゃないかな」
 紅茶を優雅に飲みながらアリサとすずか。と言っても砂糖たっぷりだけど。
「それじゃあ、こっそり聞きに言ってみるか?」
 ズルズルとストローを吸い、オレンジジュースを完全に空にしてから俺は言った。そろそろ黙って座ってるのにも飽きてきたのだ。
 急な提案で三人は一瞬戸惑ったが、しかしそこは好奇心旺盛な幼少期。隠しきれないワクワク感を滲ませながらうなずいた。
 唇に人差し指を押し当て静かにするようジェスチャー。そしてテーブルの下にもぐるようにハンドサインで伝える。まあ結局伝わりはしなかったけれど、俺が率先して潜り込むと意図を察して続いてくれた。
 全員が隠れたことを確認し、再度『しー』とする。三人も同じように『しー』とした。うん、可愛い。
 こそこそと、四つん這いで行動を開始する。できるだけ音を立てずに。全体的に鈍い
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