九校戦編〈下〉
九校戦十日目(3)×最終戦からの対ドウター戦と後夜祭合同パーティーでのダンス
[8/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
げたが、正確には『一条と踊っ』の所で上げていた。彼の目は期待に輝いていたが、兄が許可を出した事で深雪はクスクスと笑ってから小首を傾げていた。
「兄からの許可が出た所ではありますが、どうしますか?」
「是非・・・・一曲お相手願えませんか」
上ずりかけた声を精一杯抑えて、一条は恭しく深雪に向かい作法通りに一礼した。
「こちらこそ、よろしくお願い致します」
深雪も作法通りの一礼を返してから、差し出された手を取った。ポジションに付く直前、一条は感謝と感激の籠った眼差しで俺に目礼した。俺はそれを見て一言。
「全く現金な奴だな」
「その通りではありますが、一条にとっては余程嬉しかったのかと思います。懇親会の時に一目惚れをしていたそうですよ」
「その時も気付いていましたが、頬を少し赤めではありました」
一条の見せた微笑ましいラブコメは、俺にとっては他人事のような感じであった。まあ気楽に対応出来たから、これは良しとしよう。そんで目の前にいるのは、もじもじと上目遣いに俺を窺い見るほのかを前にしてから俺は言った。
「ほのか、一緒に踊らないか?」
「はいっ!喜んで!」
本来ならここでウエイトレスをしているエリカに言われるが、己の未熟さは無いので言われないで済んだ。エリカは相変わらずのウエイトレスとして働いているし、幹比古と美月にレオは裏方にて皿洗いでもしているのだろう。
このホテルに泊まる条件は、このようなパーティーの時にはホテルの従業員として働くのが条件だったからだ。それに女性を誘うテクニックを持っているので、経験豊富な俺だと楽であった。
「一真様もダンスに行ってしまいましたが、俺らはどうします?沙紀」
「今回は一応ボディガードなんだし、遠くから見ているだけでも良しとしましょうか」
蒼太と沙紀は遠くから見ている事だったが、俺はほのか、雫、エイミィ、スバル、和美である一年女子選手筆頭と真由美やあずさの相手もする事となった。一年女子達はこれまでのお礼として、一通りの者らとダンスをしてから三年生や二年生の先輩女子ともお相手をした事で壁側にあった椅子に座っていた。蒼太が隣にいるので、こちらに戻ってきた時にドリンクをもらった。
「それにしても一真様のダンス相手はとても数が多かったようですね」
「まあな。まさか一年女子選手ら全員と相手するとは思わなかったが、今までカウンセラーやら治療とかをしてきたからな。それにしてもまさか三年生と二年生の相手もするとは思わなかった」
一年女子らはリズムが同じなんだが、三年生と二年生のリズム感が独特であったとしても相手のリズムを見様見真似で合せている。ダンスとかも深雪同様上手いので、ミスをほとんどした事はなかった。特に雫に関しては、まるでダンスマ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ