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真・恋姫†無双 劉ヨウ伝
第155話 ?越
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話したことは外部に漏れないことを誓おう」

 正宗は人払いを許すつもりはなかったのか、この場で話すように促した。

「そうでございますか。ではお話させていただきます」

 ?越は正宗の命令に素直に従った。その態度に正宗は意外そうな表情だった。

「劉荊州牧からいただいた役職は辞職いたします」
「役職を辞職する?」

 正宗は困惑した表情で?越に言った。朱里と泉も同様の表情だった。

「車騎将軍、劉荊州牧と蔡徳珪の情報、それ以外にも荊州の情報は全て献上させていただきます」

 ?越は神妙な表情で正宗を見つめた。

「劉荊州牧を裏切るつもりか?」
「裏切る? 私は裏切っておりません。私は劉景升様が荊州牧であられたからお仕えしたのでございます。ですが、劉景升様は朝廷に召還され、このままでは荊州牧の地位を失うことは必定。次の荊州の主となられる方の元に参上することは当然のことでございます」

 ?越は笑みを浮かべ正宗を見た。朱里と泉は?越の言葉に唖然としていたが、正宗だけは彼女のことを沈黙したまま見ていた。

「車騎将軍、私の真名は伊斗香。これよりは真名でお呼びください」

 ?越は拱手し正宗に頭を下げた。彼女の言葉と行動から、彼女が正宗に従属する意思があることは理解できた。
 ただし、朱里と泉は?越の行動に戸惑っている様子だ。

「劉荊州牧と蔡徳珪。お前にとって二人はそれほどに軽いのか? 荊州支配のために共に力を合わせた中ではないのか?」

 正宗は?越に質問した。

「上司のために力を尽くすは官吏の本分でございます」

 ?越は正宗に事も無げに言った。

「では正宗様が荊州の主ではなければどうするおつもりですか?」

 朱里が?越に質問した。?越は朱里に視線を向けた。

「仮定の話をしても意味が無いのではありませんか? 劉景升様が荊州牧の地位を守ることができたとしても、その地位は車騎将軍が与えた者にございます。真の主が車騎将軍である以上、劉景升様にお仕えする意味がありません」

 ?越は微笑み事も無げに朱里に答えると正宗の方を向いた。正宗は自分を見る?越を沈黙したまま見つめた。

「車騎将軍、私は不要にございますか?」
「?異度。いや伊斗香。お前は私に士官する気があるのか?」
「車騎将軍、当然のことでございます」
「?異度、私が荊州の主の地位を失えばはお前は私を裏切るか?」
「裏切るかは車騎将軍次第にございます。己の保身のために自ら破滅する愚を行うことなき君主であられれば、私が車騎将軍を裏切る理由がございません」

 伊斗香は正宗を見つめた。正宗は彼女の視線を逸らすことなく見つめた。

「伊斗香、私のために働け。私の真名は正宗。お前に預けた」

 朱里と泉は正
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