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真・恋姫†無双 劉ヨウ伝
第155話 ?越
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見受けられます。今後のことを考えれば在野の信用たる剛の者を武官として招く必要があるかと」

 泉は神妙な表情で正宗に忌憚なく意見を述べた。

「その通り。しかし、美羽は武官は信用の足る者でないと士官させる気がないと申していた。虎狼であろうと首輪をつけ使える間は使えばいいのだ。牙を向ける素振りを見せれば始末すればいい。信の置ける者などそう多く居るものではないだからな」

 正宗は困っている様子だった。

「正宗様にお心辺りはございませんか?」
「心当たりか。荊州は劉景升の施策も相まり文官候補は多いが武官候補は際立った者が少ない」

 正宗は歩くを中断して考えだしたが武官に心当たりがあるのか泉に視線を向けた。

「南陽郡の隣郡、章陵郡に魏文長という剛の武侠がいるはずだ。この者は恩義には報いる気性の持ち主と聞く。美羽が厚く遇せば命をかけ美羽のために働くだろう」

 正宗は魏延の名を出した。三国志演義では裏切り者の代名詞で反骨の相を持つ者と言われるが、史実では劉備に強い忠誠心も持っていた。陳寿も魏延は蜀に謀反を起こす気がなかっただろうと正史で語っている。ただ、原作知識を知る正宗は魏延の猪武者振りを懸念しているのか渋い表情をしていた。

「魏文長ですか。その者は些か難のある人物なのでしょうか?」

 正宗の表情を読んで泉が尋ねた。

「私の知る歴史の魏文長であれば名将の器だ。しかし、この世界の魏文長は微妙だろう。この私の元で将として経験を積ませれば、名将としての目が出るかもしれない。そうすれば美羽の将として活躍する日も来よう」

 正宗は微妙な言い回しで魏延を評した。彼の口ぶりからすると彼の手で魏延を鍛え上げようという気持ちなのだろう。

「分かりました。私が魏文長を探して参ります」
「頼みたいところだが私が魏文長を直々に誘いたい。魏文長の居場所を特定しておいてくれ。武侠の身の上だ。章陵郡を探せば情報は入るだろう。その前に?子魚と司馬徳操に会いにいく」

 正宗は最後に?徳公と司馬徽の名を出した。

「魏文長わかりました。それと?子魚様と司馬徳操様ですか。荊州の名士でございますね。二人を士官させることが叶えば我らの陣営の力となりましょう」



「正宗様、目通りを求める者が参っております」

 朱里が慌てて走ってきた。正宗は泉との会話を切るとこちらにかけてくる朱里に視線を向けた。

「誰が私を訪ねてきたのだ?」

 正宗は朱里が自分の元に到着すると朱里に尋ねた。

「?異度にございます」
「劉景升の片腕である?異度が私の元に来たということは劉景升の意を汲んできたということか?」
「確証はございませんが可能性は高いです。ただ、?異度の引きつれてきた兵は七千と荊州軍の規模から考えれば少
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