暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜銃声と硝煙の輪舞〜
In the true
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身体を両腕で締め付けるように抑えることによって、少年は辛うじて思考を保っていた。
熱病に犯されたのかと疑いたくなるほどの汗を顔中にびっしりと浮かべているくせに、芯にわだかまるのは絶対零度さえも生ぬるいと思いたくなるような圧倒的な悪寒だ。
「……なんだ」
震える唇で、震える脳で、震える心で。
絞り出した言葉は、しかし自分でも何を言いたいのか分からないものだった。その後に続く言葉さえ、思考の地震の彼方へと瞬く間に消える。
代わりのように、少年は押し殺された唸り声を上げた。
何かをしていないと、頭が破裂しそうなほどの激痛を訴えてくるのだ。
記憶という名の扉をこじ開けて、《あのプレイヤー》の言葉が脳髄を這いずり回る。
そしてそれはやがて、少年のもっとも柔らかい部位へとその手を伸ばし――――
不意に左肩を叩かれ、レンは危うく悲鳴を上げそうになった。びくり、と全身を震わせてから顔を上向けると、そこには二つに結わえられたのと、長く結わえられた柔らかいブロンドの髪が揺れていた。
「……なんて顔してんのよ」
眉をひそめてそうのたまう少女――――リラに、レンは震える頬をどうにか動かし、笑みらしきものを浮かべて見せた。
「な……んでも、ないよ」
「ま、負けたからってそんなに落ち込まなくてもいいよ?本戦には出れるんだから」
リラの脇に立つ少女、ミナの弱気ながらも心温まるフォローに再度笑みを返しながら、少年はようやく、自分が《バレット・オブ・バレッツ》の予選トーナメントをしていたということを思い出した。
瞬きし、周囲を見回すと、どうやら場所は待機場所であるドームらしい。しかし、開始時はひしめくほどにいたプレイヤー達の数はいまや数えるほどしかいないほどにまばらになっている。予選決勝が終わった者――――つまり本戦に出られる者達三十人以外の敗者は地上へと転送されるのだ。
顔を見回しても従姉の姿はないことから、まだ戦闘中なのだろうと推測できた。
ミナとリラはどうやら、レンの戦闘が終わる前にこのドームに帰ってきて、自分が岩に磔にされて延々と一方的に話をされているという戦闘とも言えないような場面を見ていたらしい。
話の内容を考えると頭をかき乱されるが、それを見ていた双子の心象のことも思うとなかなか忸怩たるものがある。
レンは、こちらをどことなく不機嫌そうに睨んでいるようなリラの顔と、それでも気遣わし気な視線を送ってくれるミナを交互に見やり、いまだにかすかに震える唇の隙間からゆるゆると力なく息を吐き出した。
すると、その動作がいかなる癇に障ったのか、リラがムッとした表情を幼さとあどけなさが混同する顔に浮かべる。
「まだ予選よ!さっきの決勝だって良い試合してたんだし、本戦だっ
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