第1章 光をもとめて
第8話 消滅の対戦
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たりしない様だ。
「ああっ!! オレはやるぞ! ここまで来たんだ。負けも嵩んじまってるし、次で全部取り返してやる!」
淫乱ねーちゃんと呼ばれても眉1つ動かさず、普通に会話しているロゼ。ここまでくればもう凄いと思ってしまうのは無理ないだろう。傍から聞いていた観客の1人はそう思っていた。そして、ロゼの言葉には従わず、受付へと向かう数人。
「ふぁぁぁ……、な〜んか、こっちが疲れちゃうような戦いだったわ。それに、決勝まで見ていったら、帰りが大変よねぇ……。終わったらあのコからかおうか、とか思っちゃったけど。とりあえず無しの方向で」
今日だけで、一体どれくらい稼いだのだろうか。寄付金で生活してる自分の年間収入からすれば、悠に4,5倍。……いや、準決勝の大勝で影が薄れてしまっていたが、それ以外の勝ち金を全て含めたら10倍以上の大台にのるだろう。
「やばっ……顔がにやけるわ。 やーだ 破顔しちゃうってのはこの事♪」
ロゼは財布が、ほくほくとあったまってるのを再認識しつつ、コロシアムを後にした。
〜リーザス城コロシアム控え室〜
試合を終え、控え室へと戻ったユーリ。軽く腕を回し、身体の状態を確認していた。
「……強かったな。間違いなくここ最近では最強の相手だ」
受けた剣の一撃一撃の重さが腕を痺れさせ、そして名立たる名匠が打ったと言う訳ではないが、手入れもよくしてきた。なのに長らく共に戦ってきた愛刀を砕かれたのだ。
「時代は強者を欲しているようだ。だからあの男は《こちらの世界》へと来たんだろう。……あの男、もっともっと強くなる。……そうじゃないとな」
ユーリはそう言いながら壊れた剣を眺めていた。自分が生涯を賭して追い続ける目標においてはそれが望ましい事だ。
だが、たとえ何人強者が増えたとしても……虫が人間に、そして人間が魔人に挑むように無謀であり。その行為は 広大な海の水をコップで少しづつ掬い、枯渇させるようとする程膨大で途方もない事だ。
だが、それでも進む先が変わる事はない。
「……母さん。親父。エレナ」
ユーリが呟くのは家族の名だった。もう、遠い過去の様な出来事。だが、立ち止まってはならない。歩き出さなければいけないのだから。
「……ん。そういえばランスは、っとと、そうだったな。アイツは」
ユーリは、ユランと ヤリたいヤリたいと五月蝿かったランスの事を思い出していた。どうせ、今頃は会場近くの何処かでお楽しみ中といったところだろうか。確認をした訳ではないが、確認をするまでもない事。
「やれやれ……。ん? 何だこれは」
ユーリは控え室の机の上に置かれた手紙を手に取った。汚い字で書かれているが、誰が書いたのか一発で解
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