暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第1章 光をもとめて
第8話 消滅の対戦
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察していた。血液を武器とする以上……発動している際は流血は止まるだろうが、終えれば再び流血するだろう。危険すぎる発動条件だから。

「これが 正真正銘最後の力でしょう」
「っ!! ……ユーリ選手はどうなったのでしょ〜!?」

 まだ砂埃が舞い上がっており、姿を捉えることが出来ない。逆に清十郎は立ち上がり、血を鞭の様に振り回す。血の結界。そこを侵す者には見たとおり血の代償を連想させる。

「……今のは」

 だが、決して 清十郎のその表情には余裕は無い。それどころか、驚愕していた。明らかに今日一番のヒット。虚を突き且つがら明きの背中へと突き刺したと錯覚させた。

「今の業、異質とは言え申し分なし……。だが、残念だ」
「なっっ!!」
 
 いつの間にか背後より現れた影。客席の観客でさえ、清十郎と目の前にいるであろうユーリに注目していた為気づく事が出来なかった。

「確かに虚を付かれた。が……、想定外か? 想像以上か? と言われれば 別にそうでもない。……今回は 経験の差が物を言ったようだな」
「くっ……!! 舐めるなよ!?」
「舐めてない。……見事だった。だが……。」

 剣を水平に構えるユーリ。そして、込める闘気が増した。……凶悪とも思える殺気も。

「どんなものにも、上には上がいる」
「っっぁ!!」

 攻める姿勢を決して崩していない。だが、確かに気圧されている自分がそこにはいた。それを否定したくて……、無我夢中で血槍を飛ばした。

 ただ 数に物を言わせた攻撃。素人相手ならばそれでも良いが。

「……思考が乱れたな。それは悪手だ」

 ユーリはその血の槍の軌道を確認すると。剣の鍔元から切っ先まで掌を翳す。

「煉獄・斬光閃」

 凄まじい速度で剣を振り、閃光が生まれる。
 それが剣先を離れ、光を纏った鎌風となり、清十郎の血槍の全てを断ち切った。斬られた血は、そのまま通常通りの液体となり 地に夥しい量の血となって飛び散った。……が、その業が本命じゃなかった。ユーリの本命は……。

「ぁぐっ!! な……い、いつのま……に。」
「悪いな。アンタは諦めが悪そうだから。その身体で これ以上 無茶をして、死なれても困る」
「っ………」

 呆気にとられていた清十郎だったが、突如腹部に異常な痛みを感じた。痛いと感じたときにはもう遅い。いつの間にか目の前にあの男がいた。 
 ユーリは、攻撃の衝撃を煙幕の代わりとした後、一気に接近。剣の柄尻で清十郎の鳩尾を穿ったのだ。その衝撃は身体を突き抜けてゆく。

「へ……、ば……バケモノ、め……」

 清十郎はそう呟きながらゆっくりと地に伏した。だが、何処か満足そうな表情もしていた。

 自分がいた世界で、ここまで圧倒してくる相手などこれ
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