第1章 光をもとめて
第8話 消滅の対戦
[7/14]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
は要相談と言う事ですね。はい」
ロゼはひらひらと手を振りながらこれまたてきとうに対応していた。いい加減何を言っても無駄なのは理解できないのだろうか?ここの酔っ払いは。
「これは決まりでしょう〜」
「……ええ、そうですね。これ以上は清十郎選手が危険かと思われます。………」
確かに遠目ではあるが、見た所、切創は 筋肉には達してなく、皮一枚程度だと思われる。 だが、それでも出血の量は多い。これ以上続ければ致死量に達し命に関わりかねないかもしれない。
だが、死神は何かを感じていた。
満身創痍にしか見えない清十郎の身体の状態。そして、流れ出る血。その全てが不吉に見えていたのだ。
「勝負ありだ。……認めろ」
倒れた清十郎を見て、ユーリは、剣を収めた。
すれ違い様に叩き込んだ連珠の剣撃。それは相手の身体を満遍なく斬っている。一応コロシアムでは殺しはご法度と言うルールはあるが、基本的にユーリは敵であっても外道以外は命を奪うまねはしたくないのだ。
この時のユーリの誤算はただ1つだった。
すれ違い様に攻撃をした為、手応えを感じただけで相手を見ていなかった事だ。
「くく……、オレに血を流させたな」
清十郎の身体中から流れ出る血。鮮血に染まる全身。そしてまるで意図してこの状況を作ったかのような表情。
「っっ!! ゆ、ユーリさんっ!!」
観客席から、何かを感じ取った少女が思わず声を上げていた。≪それ≫は、直ぐにやってきた。
「行け≪犠血≫……我が血を流させた者へ!」
不自然なほどまでに流れ出た血が形を成した。まるで、それは伸縮自在の槍。無数の血の槍がユーリが立っている場所を一気に貫いた。地面に数々の穴をあけ、一気に砂埃が巻き上がる。
「こ、こ、これは〜〜!!! いったいどういうことでしょ〜〜!?!?」
ナギサも突然の出来事に驚きを隠せないでいた。
口調こそはいつも通りだが、その慌て具合はこれまでに一度も無かった事。その事自体にも驚きはある筈だが、清十郎の攻撃手段自体が特に驚きを見せた為、観客は気づいていなかった。
「これは、見たことの無い技ですね。自らの血に、何らかの術を仕掛けた……と言うのでしょうか? しかし……」
解説であるマスクの男も口元へ手を宛がい考える。発動の条件。それのリスクを考慮したら決して優秀な力とはいえない。深手を負えば負うほど、その威力を増すが、その分重症を負ってしまうだろう。発動条件としては最悪。だが、発動すれば確かに虚をつき易い。
「アレは、後天的な力とは思えません。……恐らくは彼の先天的な力なのでしょう。特殊な環境化で得たのでしょうか。……狂気にさえ 似た力を」
そう推
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ