エピソード37 〜試練 その1〜
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槌をうち、足早に崖の方に行ってしまう。後を追えば、崖下へと続く坂があり、そこにはちょうどデュエルができそうなスペースが広がっていた。
ついでに断崖絶壁の真下という事で人目にもつきにくい。
「あー、もしかして僕ってお邪魔……でした?」
翔君が気まずそうに尋ねてくる。
「内密に済ませたかったのは事実だけど……。けど、翔君は私と十代君のデュエル観たい?」
と尋ね返せば、1秒の間も開けずに肯定の返事が返ってくる。
「まぁいいか。けど、この事はひ、み、つ……だからね?」
おまけにウィンクを添えてあげれば、頬を赤く染めながらコクコクコクと頷く。
たまにはキャラじゃないことをやってみるものだ。
「なぁ〜、早くやろーぜ〜?」
既に十代君はデュエルディスクを構えおり、準備万端の様子。
これはもうただのデュエル好きというより、デュエル馬鹿なのでは……?と心の片隅で思ったりしていた。デュエルを生業にしている私が言えることではないのだが。
「ねぇ、デュエルする前に一ついいかな?」
コレを聞くことは今回の目的の一つでもあるのだが
「十代君は紫苑と、いや、プロデュエリストとデュエルすることをどう思う?」
そう尋ねれば、なんじゃそりゃ?と首を傾げた後、清々しいまでの笑みで
「そりゃ、楽しみだろ!」
と言ってのける。
「もしも、ダメージすら与えられずに完封なんてされても……?」
「そん時はその時だ。けどさ、絶対に楽しいと思うんだよ!紫苑とのデュエル!」
まるで新しい玩具を手にした時の子供のような、無邪気な笑顔を晒しながら言ってのける。そして、その言葉を聞き、安堵を覚える。
「ふふ、勇ましいね〜」
「そりゃそうだろ。逆に強い奴と戦えてワクワクしない奴がいるのか?」
それがいるのだ。いざ強敵を前にし、竦み上がり実力を出せない人などしょっちゅうだ。そして挙げ句の果てにそれを相手のせいにする輩も。
だからこそ、十代君ともう一人の子にも回りくどい方法でデュエルに対する意気込みを確かめているわけだが。
……意気込みは十代。むしろ、有り余るほどだね。
「そうだ、十代君。私に勝ったら、ボス戦に挑む勇者な君にぴったりなカードをあげるよ!」
「勇者……?まぁ、どんなカードが知らないけどきっとスゲェカードなんだろうな〜、ワクワクするぜ!」
より一層表情を明るくさせて喜ぶ彼を見ているとこちらも嬉しくなる。
「さて、話しはこれくらいにして準備はオーケーかな?」
「あぁ、とっくの昔にできてるぜ!」
「じゃ、決闘」
「決闘だ!」
「頑張れ〜、兄貴ー!」
翠:LP4000
十代:LP4000
「
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