第八幕その四
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「日本の」
「うん、ジャガイモのコロッケだよ」
「やっぱりそうですね」
「これがとてもね」
「美味しいですよね」
「これで御飯を食べると」
それこそ、というのです。
「凄く美味しいんだよね」
「おソースをかけて」
カルロスは早速言いました。
「そうしてですね」
「うん、そうだよ」
「お野菜はサラダと」
「ジャガイモも欲しくなったからね」
「コロッケも出されたんですね」
「そうだよ、じゃあね」
「これから皆で」
「洋食を食べよう」
今日の晩御飯をというのです、こうお話してでした。
皆でフォークとナイフ、それにスプーンを使って洋食を食べるのでした。ナターシャはハンバーグ、おソースをたっぷりとかけたそれをフォークとナイフで切ってお口の中に入れつつ目を閉じて噛みながら言いました。
「この味がいいのよ」
「ナターシャもハンバーグ好きなのね」
「はい」
こうケーキにも答えます。
「それもかなり」
「洋食のハンバーグが」
「好きです、ロシアでも食べています」
「そうなのね」
「ハンバーガーも好きで」
「あれも美味しいわね」
「ですからよく食べます」
ハンバーグもハンバーガーもというのです。
「オズの国でも外の世界でも」
「日本でも」
「そうしています」
「ナターシャって本当にハンバーグ好きなんですよ」
「ボルシチとこれが大好きなんです」
他の四人もケーキにお話します。
「ピロシキも好きですし」
「それとなんです」
「ボルシチ、ハンバーグ、ピロシキがあれば」
ナターシャは微笑んで言うのでした。
「私はそれで充分です」
「その三つだけでなの」
「暖かいお家と服があって」
それで、とです。ケーキにも言うのでした。
「お風呂があれば」
「それでなのね」
「充分です」
「何かあまり欲がないのね」
「欲を張ることは好きじゃないです」
「そうなのね」
「何かね、ロシア人ってね」
ここでジョージが首を傾げさせて言うのでした。
「欲のない人多いよね」
「そうだよね」
神宝もジョージの言葉に頷きます、二人共カレーライスを食べています。ルーの中に薄くスライスした牛肉とです。人参にジャガイモ、玉葱が入っています。
「ナターシャにしてもね」
「そうだよね」
「欲がなくて」
「少しのことで満足するよね」
「僕達だったらもっともっと欲しくても」
「ナターシャの場合は少しなんだよね」
「多くを欲張っても仕方ないから」
ナターシャは二人に答えました。
「だから」
「いつもそう言ってるね」
「欲を張ってもって」
「仕方ないって」
「ナターシャは言うね」
「そう、子供の頃お祖母さんに言われたの」
ナターシャのお祖母さんにというのです。
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