暁 〜小説投稿サイト〜
魔法科高校〜黒衣の人間主神〜
九校戦編〈下〉
九校戦十日目(2)×本戦決勝トーナメント戦一高対九高と師族会議からの通達
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真由美らは、改めて問われて我に返った。

「決勝戦のステージが決まったけど、ちょっといいかしら?詳細はお父さん達が言うらしいんだけど、付いて来てほしいの」

決勝だけならば今この場で一言だけなのだが、克人は何故や何とも問わずに黙って真由美らの背中に続いた。なお先頭は真夜と弘一の護衛者で、克人を連れて来たのは三日前に一真に相談を持ちかけた部屋であった。遮音障壁を形成したかと思えば、真夜らが端末を取り出して人払いと防音結界を張ったのだった。

「真由美の口よりも私らから言った方がいいと思って来たのだが、師族会議にいる私らの側近達から通達があったのだよ」

「そうなのですか?」

「という事は克人君は聞いてなさそうね」

「はい」

克人の答えは真由美だけだったら一言だけだが、ここには師族会議に出席している現当主らがいるからだ。本来なら師族会議用の暗号通信を解読には手間がかかるらしいので、短くない時間というより一人になる時間が必要である。試合の合間とはいえ、リーダーが長時間席を外して周囲に不審を招くのはまずいと十文字家は考えたのだろう。

と真夜と弘一がそう解釈したが、真由美と克人は他のチームメンバーだと立場が違う。生徒会長やチームリーダーという立場の違いではなく、社会的に立場が違う事であるが、真由美は現十師族直系であるが克人は十文字家次期当主と定められている。

「一昨日、一真様が一条将輝を倒した事は知ってますよね」

「・・・・それについては実際に見てましたが、それが何か?」

「十師族はこの国の魔法師の頂点に立つ存在であり、十師族の名前を背負う魔法師はこの国の魔法師の中で最強の存在でなければならない」

「例え高校生のお遊びであっても、十師族の力に疑いを残すような結果を放置する事には許されない。という事が決定されたわ、ただし師族会議の者達は織斑家の後ろ盾が零家・四葉家・七草家・九島烈様と蒼い翼がいる事を知らない様子だったと言っていたわ。一昨日の試合がお遊びで片付けられるレベルではなかったという事だけど、つまり十師族の強さを誇示するような試合を求めているのよ」

真由美と克人はなるほどと言いながら、織斑家の事をよく知らない師族会議の者達にとってはこのような馬鹿馬鹿しい事を十文字家次期当主が処理するべきではない。

だが織斑家の事を知らない者にとっては、十師族では無い者が一条を倒してしまったので日本の恥となってしまう考えを持ってしまったからだ。それから克人はまるで『任せておいて下さい』と一言口にしてから決勝戦までの時間までにプランを頭に浮かべていた克人だった。
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