九校戦編〈下〉
九校戦十日目(2)×本戦決勝トーナメント戦一高対九高と師族会議からの通達
[4/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ようにも見えたからな。正式な試合では出力を八〜九割をセーブさせたからな、もしセーブされてなかったら風刃の舞で終わっていただろう。
「次はいよいよ決勝戦ですね」
「決勝戦までまだまだ時間があるけど、冷たい物でも食わないか?皆」
「賛成。アイスがいいな」
俺の提案に雫が応えたが、ほのかも無邪気に話し掛けて来た事で生徒会副会長の魔法技能が高い事は当たり前のように知っている。昨日の事で本来の力を使ったが、それに関しては言わないで簡単に答えるしかない。
今日は選手兼エンジニアとしてではなく、観客の一人としてここにいる。今まで邪魔してきた無頭竜も気に掛ける事は毛頭無いし、今は高校生らしく過ごした方がいいだろう。
「先程ワゴンの屋台が出ていたから、そっちで食べるとしようか」
「ええ、是非!」
少年三人と美少女五人、それが他人から見るとどう思うかは分からないが俺らはアイスクリームワゴンへと連れて行った。モノリス・コード決勝戦は『渓谷ステージ』となったが、俺らの時は天候丸ごと変えた事でのチート技を見せた事による雪山ステージと化していた。
ま、それはさておき蒼い翼から告げられた決定を伝える為に、真由美は選手控え室を訪れると、そこには四葉家現当主と七草現当主である四葉真夜と七草弘一が護衛者と共にいたのだった。
「お父さんとお母さん!何でここにいるの!?」
「いいじゃないか真由美」
「そうよ。それに真由美が伝えるのは、ただステージが決定したから伝言しに来ただけじゃないんでしょ」
単なる伝言役という生徒会長が務める事ではないが、この決定を伝える為だけなら真由美は自分で足を運んだりはしない。
「十文字君、いる?」
出入口のインターホンに話し掛けるとすぐに『今行く』という返事があった。少し時間が経過してから、克人が上半身タンクトップと下半身プロテクション・スーツ姿で、扉代わりのキャンパスをかき分けて出て来た所で弘一と真夜の事に気付いたのだった。
「こんな格好で済まんな・・・・四葉家現当主に七草家現当主までいるとは思わなかったのですが、この格好の事については申し訳ありません」
「気にしないで。別に裸って訳じゃないんだし」
「私らも気にしてはいないから、安心しなさい克人君」
克人の身体から、微かなアルコール臭が漂って来た。飲酒な訳ではなく、消臭剤に含まれている僅かなアルコール分の匂いで、出て来るまでの間は真由美らと顔を合わせる為に汗の臭いを消した結果となった。
彼は特設フェミニストでも無いのが、紛れも無くジェントルマンだ。そういう気遣いをアピールしようとしない所が、克人らしい作法なんだと真由美らは思った。
「それで?」
急ぎの用を棚に上げて埒も無い事を考えていた
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ