【東方Project】編
089―Ex.幻想閑話集
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ちながら妖怪を見る。妖怪の、そのぎょろり、としていた目は既に久しいみたいで、その双眸には怯え≠フ色がありありと見てとれた。
「怖いの…? ……でもそれが今まで無為に殺されてきた人間が貴方に抱いていた感情だよ。……“金剛槍破”」
もしも今が昼間だったら、煌々と、光を乱反射させて綺麗な槍になるのだが、生憎と今は丑三つ時とも云って良い時間帯。何も面白みも無く、私の放った槍は妖怪を貫くだけだった。
「さて…」
――ドクンッ!
村人達への説明文を考えながら黄昏ようと、“鉄砕牙”を納刀しようとした時、“鉄砕牙”大きく脈動した。……“鉄砕牙”には倒した妖怪の能力──または妖気を奪える能力≠ェ有って、“鉄砕牙”的には今回の妖怪の妖気は、奪うに価する≠轤オい。
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「はぁ…」
結局あの後は村人達にもみくちゃにされた。嫁に来ないか≠ニかも言われたが、最終的に私が混じり≠ナあると明かしたら村人達は手の平を返す様な態度になった。……いつもの事である。
妖怪≠ニ人間≠フ間の溝は深い。……ならば、妖怪≠ニ人間>氛泓シ方の気持ちが判ってしまう混じり≠ヘどうすればいいのだろうか…。……この悩みの解答例──妖怪と人間が共存出来る世界≠フ事を紫から聞いたのは十数年後の事だった。
SIDE END
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
<【幻想郷縁起】>
SIDE 升田 真人
「本日はお越しいただき誠に有り難く思います。……あ、まだご紹介がまだでしたね。私9代目≪阿礼乙女≫、稗田 阿求と申します」
【白玉楼】で見た卓とはまた違った趣の有る卓を挟んでの向こうで、霊夢や魔理沙よりもいくらか年下の少女が慇懃な──それがまた嫌味≠ノならない程度には似合っている態度で礼をする。
……何で俺が稗田 阿求と対面しているのかと云うと──早い話が、幻想郷≠ノ来て漸く腰を落ち着けた頃、稗田家にお呼ばれされたのだ。……どうにも、俺と話してみたかったらしい。
「……で、貴方は一体何が出来るのですか?」
「……は?」
もっと気軽にしてくれ≠ンたいな流れになった後、卓の上に巻物を開きながら彼女はいきなりそう宣った。……いきなりな──主題の抜けた設問に、アホ面をさらしてしまっている俺は悪くないと思いたい。
「……あ、私、著名な人間や妖怪について纏めた書──【幻想郷縁起】と云うの書物を認めてましてね。……そしてその書物には人間や妖怪の能力≠ノついて纏めている項目ありまして…」
「で、
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