【東方Project】編
087 永夜の集い
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と別れさせてから100年間、その時の輝夜は見れたものじゃなかった。……ここ100年で漸く眠り際に貴方の名を呟く事も無くなったのに…」
(ああ、そうか。この女性はきっと…)
そんな八意 永琳の独白には、ある感情>氛沂P夜への贖罪≠ェ混ざっている様な気がしてならなかった。……実を言うとその昔、“蓬莱の薬”は彼女が造った≠ニ、なんでもない酒の席でほろ酔いの輝夜から聞いた事がある。
(つまり、それらの事から類推するに──“蓬莱の薬”を輝夜に飲ませてしまった事を後悔している…?)
しかし俺のこの思考は推測にしか過ぎない。……≪月の賢者≫とまで謳われた様な──月≠ナもさぞや重要な役職に就いていたであろう人物が、態々穢れた土地──穢土≠ニ貶しているような地上くんだり≠ワで降りて来て、尚且つ地上≠ナ生活している。……そう考えてみれば、俺の推察も強ち外れていない様な気もする。
「……そもそも貴女は勘違いしている。いつから俺が普通の人間≠ニ錯覚していた? ……いや、現人神になる前からの話で」
ハルケギニアに居た時点──肉体年齢が20歳かそこらの時点で俺の老化≠ヘ止まっている。そこにほぼ日課となっている鍛練を合わせると、肉体年齢的には100余年がゆうに経過している。……曲がりなりにも普通の人間≠ニはもう呼べないだろう。
……そしてこれは余談だが、平賀 才人≠ニしての肉体だけで無く、升田 真人≠ニしての肉体でも20かそこらで老化≠ヘ停止している。……ある程度仙術≠修めた事と関連がありそうだが、本当のところは判っていない。
閑話休題。
「……輝夜の部屋は、この部屋から出て右に行った所に在る突き当たりの左手側に在るわ。貴方なら行けば判るでしょう。……きっと輝夜は待ってるわ。……行ってあげて」
八意 永琳は、まるで憑き物が落ちたかの様に呟いた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「……ここが…」
八意 永琳に言われた通りに進んだら、やたらと豪奢な装飾の両開きの襖が顕在していた。……正に一目瞭然≠ネ襖を、マナー違反(?)承知で──ノックも無しに装飾を傷つけない様に開ける。……そこに居たのは──
「騒がしいわね。珍客でも来たのかしら? ……えいり──」
「……っ…!」
そこ≠ノ居た彼女≠ヘゆっくりと──嫌にゆっくりと感じる所作でこちらを向く。家で、閨で、満足亭で見慣れた──黒曜石で編まれたと言われても納得出来てしまいそうな、艶のある黒髪。……見間違えるはずは無い。蓬莱山
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