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ソードアート・オンライン〜Another story〜
ALO編
第139話 兄妹
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です」
「ははは……。また、聞きたいな。ユイが知っているオレの事。……長くなりそうだが」
「ほんとですよっ! ……お兄さんの事を話そうと思ったら、1日や2日じゃ終わりませんよっ」
「ん……、なら別の機会に頼むとするよ。まだ、しなければならない事は沢山あるからな」
「はいっ!……ですから」
ユイは、一呼吸置くと……、リュウキの目を見た。じっと見つめて。
「本当に何処にも行かないでくださいね……? お兄さん」
ユイは、そう言っていた。
何度言っても、不安になってしまうのは、これまでの経緯があるから、そしてまだリュウキが全てを思い出していないからだろう。憔悴しているキリトも見ているユイ。そして、何より……リュウキの想い人の事を思えばこそだ。
「……ああ。約束だ」
約束と言う言葉。その言葉の重みはリュウキ自身はよく知っている。頭の中に流れ出る映像、声。その中には時折《約束》という言葉は出てくる。
あの何処までも続くかの様に広く朱い空の下。自分達は約束をしたんだ。全てを思い出せてはいないけど……、約束と言う言葉はとても重い言葉。もう、二度と破ってはいけない。
そう……二度と……。
〜現実・桐ヶ谷家〜
そこでは……不穏な空気が流れていた。堪えきれない悲しみと慟哭。リーファ事、桐ヶ谷直葉は自分と兄、和人との本当の関係をある日を境に、知ったのだ。本当の兄妹ではないという事を……従兄妹だと言う事を。
それを先に知ったのは和人だった。
その事実を知って、直葉を遠ざけてきた過去があった。だが、SAOから生還を果たした和人は以前の様に直葉と接していた。SAOに囚われる以前の和人は、その現実を知ってしまった和人は、他人との距離感、人との距離感と言う物がまるで判らなくなってしまっていた。だからこそ、あの世界でリュウキと言う男の事が放っておけなかった、と言う事も今なら理解出来る。……過去の和人はネットワークの世界へと自分を向かわせた理由がまさにそれだった。仮想世界での自分はアバターを通して相手に伝わる。内面があって当然、誰もが本当の事を知らない、それを前提として交流するのだから。あの世界がデス・ゲームとならなければ、そこは和人にとって理想郷だった。だが、異常な状況となってしまい、和人には否応なく一つの真理へと誘われてしまったのだ。……あの世界で愛する人が出来、かけがえのない親友が出来、自分の中の小さな世界が露と消えていった。そして、現実世界も仮想世界も本質的には全く変わらないと言う真理にたどり着いたのだ。
様々な事をあの世界で経験して、そして生還する事が出来た。自分にとって、あの約束こそが何よりだったが、病院で目覚め、そして直葉と再
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