暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
ALO編
第139話 兄妹
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ゲートへの距離に比例してその量は更に増えてました。最接近時には、秒間にして約12体にも達してました。近づけば近づく程増えていくので、あれ以上に増えるとも思えます。……あれでは、攻略不可能な難易度に設定されているとしか思えません……。」
「……だろうな。ユイのその認識で間違いない」
「え……?」

 ユイは、リュウキの言葉に首をかしげた。如何に最終最後の難関だとしても、不可能に設定する事など、通常では有り得ない。ゲームと言う娯楽でその様な設定にするのはユーザーに対する裏切り、侮辱でもあり許されるものではない。だからこそ、そんなのは有り得ないと思った。
 ……でも、リュウキは頷いた。そして、『間違いない。』とまで言っていた。

「ユーザーの挑戦心を煽るだけ煽り、尚且つ興味を繋げるギリギリの所まで引っ張るつもりだろう。そして何より世界樹に上がってきて欲しくないヤツがいる。……と言う事だ」
「そ、それはどう言う事でしょう?このゲームを運営しているのに……そんな事ってあり得るのでしょうか?」
「ユイの大切な人も、この上にいるんだろう?……何故、この上にいるんだろうな? それを考えた事はあるか?」
「い、いえ……、現実世界でのママの事は、パパから何も聴いていないので……」

 ユイは首を左右に振った。

――……この世界で、ママがいるかもしれない。

 それは、キリト本人から聞いていた事だ。だが、詳しい理由までは聞いていなかったから。

「……現実の世界では、色々起こってるんだ。……大変な事が」

 ドラゴは、目を細めながら……ユイに説明をした。現実世界では、例の事件はまだ終わっていないと言う事。まだ、300もの人間が……あの機械に囚われていると言う事。

「どうして……、この世界に……」
「さぁな。……それは上がってみないと判らない」

 リュウキはそう言うと、世界樹の上を眺めた。その目には憎悪さえ感じ取れる。MHCPであるユイは、それを正確に読み取っていた。そして……こんなに怒っているリュウキを見た事は無かった。

「お兄さん……っ」

 そっと、ユイはリュウキの頬に触れた。本来の役割の通りにケアをしなければならないと言う使命感も幾らかユイにはあったが、それよりも……リュウキのそんな顔は見たくなかった。本当に、いつも優しかったから。

「……ああ。悪かった。ユイも不安、だったのにな?」

 リュウキは、不安そうに見ているユイを見て自分がどんな表情をしているのかを悟った。この子に不安を与えてはいけない。……暗い気持ちにさせてはいけない。
 リュウキとしての記憶はまだ定かではないけれど、その事は強く思っていた。

「い、いえ……っ、お兄さんは本当に優しいのは知っています。私は……本当によく知ってるん
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