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ソードアート・オンライン〜Another story〜
ALO編
第139話 兄妹
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てしまったかのように。
「そ、そんな……。酷いよ、あんまりだよ……、こんなの……」
まるで譫言のようにつぶやきながら、リーファは首を左右に振っていた。その反動で、目に溜まっていたであろう涙が周囲に輝きを放ちながら舞い飛ぶ。ドラゴが来ている事など、理解できていないだろう。リーファはまるで、一秒でも早くこの場所から逃げ出したい。と言う様な速さで左手を振った。キリトから顔を背ける。その先に、ドラゴを見たが……、まるで自分の身体が透けているかの様に、焦点が合っていないようだった。
そして、次の瞬間には、彼女の身体は宝石の様に光り輝きながら消失していった。
「……どうした? 一体何があったんだ?」
突然の事に、ドラゴも動揺を隠せない。この世界に来てまだまだ短い期間だがリーファとはまるで、長く知り合った仲間の様に錯覚出来る程に、判ってきた様な気持ちも何処かにあった。怒っている表情、呆れている表情、驚いている表情、そして喜んでいる表情。色んな彼女を見てきた。邪神でトンキーと名付けた象海月の様なモンスターが助かった時に、涙を流して喜んだ彼女も見てきている。
……でも、今の彼女の顔は初めて見るものだった。
色んな感情を見せる彼女だったけど、一貫して言えるのは 何処か明るかったと言う事だ。そんな印象だった彼女だが、さっきのそれは見る影もないものだった。一目で、何か異常が、問題があったとしか思えなかった。
「っ……す、すまない。ドラゴ。一度、落ちる……」
訳を聞こうとした相手、キリトの表情も驚愕しているようだった。……すぐには説明が出来ない。と言っている様だ。キリトもリーファの様に素早く左手を振ると、ログアウトをクリックし、この世界から消え去っていった。
「……キリト、リーファ」
驚きを隠せないドラゴだった。そして、ドラゴは消え去ったキリトがいた場所に目を向ける。
「ユイ、いるか?」
そう聞いた。通常であれば、プライベート・ピクシーはその登録したプレイヤーと一体型。データが落ちれば、そのピクシーデータも共にログアウト、本人のアミュスフィアに戻る。入力経路を遮断し、蓄積したデータのメンテナンス……最適化する。が、ユイには独自の自我とも言えるものを持っている事はドラゴも判っていた。そして、何故だろうか判らないが……、自分もユイを呼べる様な気がしたんだ。
「……はい」
ユイは、キリトが消えた場所から、実体化しこの場へと現れた。
「……一体、2人に何があったんだ」
「それは……」
ユイの表情は暗い。この場所で一体何があったのか、それを話す為に、ゆっくりと口を開いた。
リーファとキリト。
2人は、現実の世界で兄妹であると言う事が判明した。それに気づいたのは
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