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ソードアート・オンライン〜Another story〜
ALO編
第139話 兄妹
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の海を眺めた。不安が紛れる事は決してないけれど、それでも……。

「りゅうき……、はやと、くん……っ、たすけて……」

 涙を流す玲奈。

 その時だった。


 外から、風……?の様なものが吹き込んできた。不思議な事に、窓と言っても開けられる様な窓ではなく、厳重なもの。なのに、その窓を透過して吹き込んできたのだ。

 それは、優しく玲奈を包み込む。暖かい風。

『必ず……』
「えっ……」

 玲奈は、はっと顔を上げた。外に広がる光景は変わっておらず、ただただ雲の海が広がっているだけだった。そして、周囲を見渡渡した時だ。

『必ず……助ける』
「っ……!?」

 確かに、聞こえてきた。暖かい風に乗って、その声が確かに届いた。……決して幻聴じゃない。

「はや……とくんっ……」

 玲奈は涙を流す。先ほどまでのそれとは種類がまるで違った。

『……待っていろ』
「う、うんっ……隼人、くんっ」

 暖かい風に手を当てて……、玲奈は暖かい風を感じながら、頷いた。いつも、いつも助けてくれる自分のヒーロー。それが、大好きな人。愛する人。

「うん……私も最後の、最後まで、諦めない。……諦めないよ」

 絶望に沈みそうになったその心を、玲奈は立て直した。暖かい声に勇気づけられて……。








〜????????〜



 そこは同じく世界樹の上。

――……キリト、君。レイ……っ、リュウキ、君。

 一体何日、この場所でいるのか判らない。ただ……判るのは、今の状況が最悪だと言う事。

 この世界からの脱出が失敗してしまい、須郷がここへと来た時。アスナはそれなりの事を覚悟をしていた。何があっても、挫けない。明日奈は強く……決意をしていたのだが。

『……ふふ、ティターニア。昨日の事で僕からプレゼントがあるんだよ。退屈させてしまったから、ここから出て行ってしまったんだろう?』

 したり顔で迫ってきたオベイロン。
 アスナはてっきり、ここぞとばかりに嫌がらせか何かをされると思っていた。暴行の類も覚悟していたのだが、違った様だ。だが、それは暴行よりももっと残酷なもの。

「レイっ……ごめんなさいっ……」

 明日奈は、両手をぎゅっと握り締めていた。聴かされた内容……、それは『君の大切な妹をこの世界に招待したんだよ。……ふふ、これで退屈はしないだろう?まぁ、この場所へはまだ連れてこれないがね。……執着している男がいるからねぇ』、と言うものだった。

 玲奈を狙っている男がいたのか?と思った。だが、自分が知る限りはそんな者はいなかったし、ストーカーの類も皆無だった。でも……、明日奈は動揺してしまった。当然ながら、その顔を須郷に見られてしまい……、
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